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2025年9月1日看板・サインに関する話題
新しく店舗をオープンする際や、オフィス移転・リニューアル工事を行う際に、見落としがちながらも重要な要素が看板・サインの設置です。内装工事における看板・サインは、その空間の「顔」として第一印象を決定づけ、同時に機能的な案内・誘導システムとして店舗・オフィスの使いやすさを左右します。

この記事では、内装工事での看板・サイン設置について、主要な種類と特徴、費用相場、選び方のポイント、施工の流れまで、実際の導入検討に必要な情報を解説します。
目次
看板・内装サインの主な種類と特徴
内装で使用される看板・サインは、製作方法や形状により以下のような種類に分類されます。設置場所や用途に応じて、最適な工法を選択することが重要です。
切り文字サイン

文字や図形を立体的に切り出して製作するサインで、最も高級感と存在感を演出できる工法です。ステンレスやアクリル、木材などの素材を文字の形にカットし、壁面に直接取り付けるサイン。
平面的なサインと比べて陰影が生まれ、奥行き感のある仕上がりが期待できます。エントランスや受付周辺など、印象を重視する場所での採用が多いです。
プレートサイン

板状の素材に文字や図形を印刷・彫刻して製作するサインです。アクリル板へのUV印刷※1や、金属プレートへのエッチング加工※2、木材への彫刻など、素材と加工方法の組み合わせにより様々な表現が可能です。会議室名、部署名、案内表示など、汎用性が高く最も多用される工法です。
- ※1 UV印刷:紫外線で硬化するインクを使用した印刷技法
- ※2 エッチング加工:酸などで金属表面を腐食させて文字や図形を刻む加工法
カッティングシートサイン

粘着性のあるシート材に文字や図形をカットし、壁面やガラス面に貼り付けるサインです。施工が簡単でコストパフォーマンスに優れ、原状回復※3が容易なため賃貸物件での利用にも適しています。ただし、耐久性は他の工法と比べてやや劣るため、3〜5年での張り替えが必要です。
- ※3 原状回復:賃貸契約終了時に、借りた時の状態に戻すこと
バックライトサイン(内照式サイン)

サインの背面から光を当てて文字や図形を浮かび上がらせる照明付きサインです。アクリル板やポリカーボネート板※4を使用し、内部にLED照明を組み込みます。
夜間や暗い場所での視認性が高く、高級感のある演出効果も期待できるため、エントランスサインや店舗看板での採用が多い工法です。
- ※4 ポリカーボネート板:透明度が高く、アクリルより耐衝撃性に優れた樹脂板
デジタルサイネージ

液晶ディスプレイやLEDパネルを使用した電子看板です。静止画だけでなく動画表示も可能で、リアルタイムな情報更新ができます。
初期費用は高額ですが、コンテンツの柔軟性と訴求力の高さが特徴で、商業施設のフロアガイドや企業の受付案内などで活用が拡大しています。
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設置場所別の考え方
- ■ 店舗での活用
店舗におけるサインは、集客効果とブランド訴求の両面を担います。エントランスサインは通行人の注意を引き、店舗への興味を喚起する重要な役割を果たします。業種によって求められる表現は大きく異なり、美容室では洗練されたデザイン、飲食店では親しみやすさや料理のイメージを伝える表現が効果的です。
店内では、メニュー表示や商品案内、レジの場所など、顧客の行動を円滑にする誘導サインが重要になります。 - ■ オフィスでの活用
オフィスのサインは、企業イメージの演出と機能性の両立が求められます。エントランスでは来訪者に対する第一印象を決定づけるため、企業の理念や事業内容にマッチしたデザインが重要です。
社内では従業員の業務効率向上も重要な目的となります。会議室の予約状況表示や、部署間の連携を促進する分かりやすい案内表示など、働きやすさを向上させるサイン設計が求められます。 - ■ 医療・福祉施設での活用
医療・福祉施設では、利用者の不安軽減と安心感の提供が最優先されます。初めて訪れる患者や高齢者でも迷わずに目的地にたどり着けるよう、明確で分かりやすい案内表示が不可欠です。大きな文字サイズ、コントラストの強い配色など、ユニバーサルデザイン※5の考え方を取り入れた設計が重要です。
※5 ユニバーサルデザイン:年齢、性別、身体能力に関わらず、すべての人が使いやすいデザイン
- * 設置箇所毎のサインの種類について解説した記事があります。
- → ロゴ・看板デザイン:サービスのご紹介|カエル・デザイン・プロジェクト
費用相場と価格を左右する要因
看板・サインの設置工事に関する費用相場と、価格を左右する要因について解説します。
種類別の価格帯
- カッティングシートサイン
1㎡あたり3,000円〜10,000円程度。シンプルなデザインなら低価格、複雑なパターンや特殊素材で高価格になります。 - アクリルプレートサイン
A4サイズ程度で8,000円〜20,000円程度。板厚や加工内容により価格が変動します。 - 切り文字サイン
1文字あたり5,000円〜20,000円程度。ステンレス製は高価格、アクリル製は比較的安価です。 - エントランスサイン
一式50,000円〜300,000円程度。デザインの複雑さや使用素材によって大きく変動します。
素材による価格差

アクリルは加工性に優れ、コストパフォーマンスが良好です。
ステンレスは耐久性と高級感を両立しますが、加工難易度が高いため高価格です。
アルミは軽量で加工しやすく、ステンレスより安価です。
木材は温かみのある質感ですが、屋内使用が基本となります。
その他の価格要因
サイズが大きくなるほど材料費と工数が増加し、立体加工や曲面加工など技術的難易度が高い仕様ほど価格は上昇します。高所作業や狭小場所での設置、電気工事を伴う照明付きサインも追加費用が発生します。
予算段階別の選択肢
- 予算重視(10万円以下の場合)
カッティングシートサインやシンプルなアクリルプレートサインが適しています。 - バランス重視(10万円〜50万円の場合)
切り文字サインやバックライト付きサインなど、デザイン性と機能性を両立した仕様が選択できます。 - 高級仕様(50万円以上)
ステンレス製の大型エントランスサインや特殊照明を組み込んだサインが可能です。
サイン選びのポイントと注意点
デザイン面
施設の用途やターゲット層、ブランドイメージとの整合性が最重要です。施設全体のインテリアデザインとの調和も重要で、既存の内装材料や色調との統一感を意識した選択が求められます。
機能面
設置場所の使用頻度や環境条件を考慮した耐久性、清掃のしやすさなどメンテナンス性を検討します。設置高さ、照明条件、見る角度、背景との色彩対比など、実際の使用環境での視認性確保も重要です。
法に基づく安全面
建築基準法や消防法などの法規制への適合は必須です。特に避難経路表示や非常口サインは法令に定められた仕様に準拠する必要があります。地震などの災害時の安全性も考慮し、適切な固定方法を選択します。
施工の流れと発注時のポイント
看板・サイン工事の基本的な工程は下図の通りです。

内装工事との調整
サイン工事は内装工事の最終段階で行われるため、全体スケジュールとの綿密な調整が必要です。電気工事を伴う場合は、配線工事のタイミングや電源容量の確認も必要になります。
発注前の準備
参考となる事例やイメージ写真、企業ロゴデータ(AI形式やPDF形式※6)、設置場所の図面や写真を準備しておきます。将来の組織変更や業務変更の可能性がある場合は事前に伝えることで、柔軟性のある設計提案を受けられます。
- ※6 AI・PDF形式:Adobe Illustratorで使用されるベクターデータ形式
よくある疑問 Q&A
- Q: 内装工事のどのタイミングでサイン設置を行うべきですか?
A: 一般的には壁面や天井の仕上げ工事完了後に設置します。ただし、埋め込み式や照明付きサインは事前準備が必要なため、早めに内装業者と調整することが重要です。 - Q: 既存サインの撤去・処分費用はどの程度かかりますか?
A: 一般的な室名プレートで1枚あたり3,000円〜5,000円程度、大型サインでは10,000円〜50,000円程度です。産業廃棄物としての処分費用も別途必要になります。 - Q: サインのメンテナンスはどの程度必要ですか?
A: アクリル製は年1〜2回の清拭、ステンレス製は半年に1回程度の清掃が目安です。カッティングシートは3〜5年で張り替えが必要です。照明付きサインは電球やLEDの交換も考慮する必要があります。
看板・サインを依頼するには
内装工事における看板・サイン設置は、機能性とデザイン性を両立させながら、適切な予算配分で計画することが成功の鍵となります。専門業者との十分な打ち合わせを通じて、長期的に満足できるサインシステムを構築してください。
カエル・デザイン・プロジェクトでは、さまざまな看板・サインのご提案や施工のお手伝いをしております。看板・サイン工事のご用命は、カエル・デザイン・プロジェクトまでお問合せください。
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