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- 塾の内装で考慮すべきポイントは?選ばれる学習空間を作るカギ
2025年6月30日店舗デザインに関する話題

塾の新規開業や改装のために内装工事を計画する際に、考慮すべきポイントは十分に押さえられているでしょうか?
一般的な学習塾の場合、特別の用途(火気や特殊な機器の使用)に伴う専用設備は不要ですが、他の学習塾との差別化に重要なポイントとして、コンセプトや指導形態に沿った内装・設備上の配慮は欠かせません。
今回は、ご自身の塾の運営スタイルにはどのような内装デザインが求められるのかお悩みの方に向けて、全般的に共通するポイントや指導形態別に考慮すべきポイントをお伝えいたします。
目次
塾の内装を工夫することで得られる効果

塾は生徒にとって学習の場であり長時間一定の場所に留まる性質上、空間の質を決める内装の影響度合いはとても大きいと言えるでしょう。
中でも対外的な利用機会の多い教室や受付・エントランス部分の内装は、こだわることで塾の運営にとってプラスの効果を見込みやすいです。
スペースごとに内装や家具選定に十分配慮することで期待できる具体的な効果としては、次のようなものが挙げられます。
- ・生徒の集中力、学習効果の上昇
- ・学習する上で安全・快適な環境を整えることによる生徒の入塾率・定着率の向上
- ・生徒の保護者に対する見た目の印象での信頼感・安心感の醸成
- ・所属する講師やスタッフにとって働きやすい環境の提供
- ・コンセプトの明確化、塾のブランドイメージの向上
特に学習空間としての居心地の良さや集中しやすい適切な環境であるかどうかは、生徒の学習効率や定着率に大きく影響します。
塾のコンセプトや指導形態に合わせて上記の効果を複合的に得られるよう、考慮を重ねながら内装設計を行うことが大切です。
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塾内スペース別に見る内装の注意点

塾内の区画には教室、受付・エントランス、待合スペースがあり、区画に余裕がある場合には更にリラックススペースや自習・面談スペースなどが設けられます。
こちらでは各スペースの内装において気を遣いたいポイントをご紹介いたします。
教室・学習スペースの内装
生徒が大半の時間を過ごすことになることから、長時間の集中を維持しやすい配色や設備、レイアウトへの配慮が優先的に必要になります。
多くの場合では色数を抑えた上で白や黒、グレーや茶色などの落ち着いた配色が好まれやすい傾向があります。
ただし、低学年向けの英会話教室などではコミュニケーションを促すカラフルで活発な配色が有効になる場合もあるため、指導形態やコンセプトは明確にしておくことが重要です。
余分な音や外部的な刺激の無い環境が求められるため、可能な限り入口や往来の多い箇所から離して配置しましょう。物理的に距離を取ることが難しい場合は遮音性の高いドアや壁、間仕切りなどを検討する必要も出てきます。
快適性・安全性への配慮も重要です。座席や机は疲れにくいものを採用し、角を丸めることで万一のけがのリスクを低減できます。
調湿や消臭効果のある素材を壁や床に採用したり、空調や照明を適切に調整することも快適性の向上に繋がるでしょう。
その他にテイスト面で他の塾との差別化を強く意識する場合は、あえて従来の塾らしい雰囲気を排したカフェやショップのような空間とするのも選択肢の一つです。
塾のロゴを内装のあしらいとしてデザインに取り入れたり、フェイクグリーンを導入するなど、通いたくなるおしゃれさや落ち着く空間を演出する事例も見られます。
海外のスクール等のデザイン事例を参考にイメージに近いものがあれば、そこから内装テイストのヒントを得るのも有効です。
受付・エントランスの内装
最初に目に触れることになる受付・エントランス部分の内装は、明るく清潔感・整頓感を演出するデザインと、シンプルなレイアウトが好まれます。
来訪者が迷わないようにし、生徒の往来をスムーズにする機能的な配慮のため、事務スペースとの境界は明確にするのがおすすめです。
塾の第一印象に直結するスペースでもあるため、コンセプトやブランディングを意識する上でも重要になります。
例えば塾のロゴを印象的に配置するなど、打ち出したいコンセプトに応じてクリーンさやおしゃれなテイストをさりげなく持たせることで、生徒だけでなく保護者が見学などで訪れた際に良い印象を与えることにも繋がるでしょう。
待合スペース・リラックススペースの内装
生徒にとって勉強との切り替えがしやすいよう、教室・学習スペースとは明確に異なるテイストにすることでリラックスしやすい配慮が求められます。
受付・エントランスに次いで来訪者の目に触れやすい部分でもあることから、同様に清潔感も重要です。休憩向きの快適性を意識した家具選定や適度に開放感のあるレイアウトを意識してください。
気分が落ち着くような配色を意識するのも大切で、例えば観葉植物や壁紙・床材などで緑色やウッド調といったリラックス効果のある色や素材を取り入れるのも効果的です。教室のテイストとの兼ね合いや全体のコンセプトに合わせて気分転換ができる空間にしましょう。
近年では、送迎する保護者も含めてリラックスできる空間として利用可能な、VRなどを活用した学習コンテンツ体験の場も兼ねた無料カフェスペースを設ける事例も見られます。
自習・面談スペースの内装
よりパーソナルな空間となりやすいため、教室と同じように集中を促す配慮に加え、プライバシーの観点から防音性や他者の目が気にならないような配慮が必要です。
生徒の自習目的や進路の相談、保護者との面談などでの使用が想定される場合は、防音の行き届いた造りや外側からの視線を遮断できる造り、人通りの少ない位置関係になっていることが安心感につながり、選んでもらう上での決め手にもなりえます。
人の出入りが多くなりがちなスペースでもあるため、双方の環境保全のためにも教室の近くに配置するのは避けましょう。
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塾の指導形態ごとに配慮すべき内装ポイント

指導形態によっても個別に押さえておくべきポイントや必要な設備は異なってきます。
各々の指導形態に最適な内装を施し、環境を整えるよう心掛けましょう。
個別指導型の塾の場合の内装
マンツーマン、あるいは少人数の生徒を単位に講師が担当する形式で、指導内容も個々に合わせて別々のものになります。したがって、座席・カウンター間で音や動きが極力気になりにくいよう配慮が必要です。
大部屋の中で座席ごとに、または複数人掛けのテーブルを区切る場合は、他人の視線を十分遮ることのできる高さや範囲のパーテーションを設置しましょう。
状況に応じて対応人数を変えるなどでフレキシブルな席配置が必要になる場合は、キャスター付きの家具を採用すると移動の際にスムーズになります。
集団指導型の塾の場合の内装
一つの空間に大人数の生徒が集まるため、収容人数の想定が大事になります。出来るだけ人数を増やそうとして過密になれば、生徒にとって集中しにくい環境になりかねません。
一人あたりのスペース感を適切に設けられるよう、座席のサイズや幅・間隔に気を配って配置していきましょう。
また、大人数の生徒および講師がスムーズに移動できる動線の確保も重要です。
入口周りや座席間の通路にあたる部分が窮屈になりすぎないよう配慮しましょう。
教室が広い場合は空調・換気のバランスの偏りや窓の外の往来が多くないかどうかは意外と見落としがちな点になります。
季節によってドアや窓の近くで気温が高く/低くなりすぎることはないかチェックするとともに、陰影のちらつきや音が気にならないよう窓に遮光・遮音性の高いカーテン・ブラインド、時にはカッティングシート施工などを必要に応じて検討してください。
映像授業・eラーニング型の塾の場合の内装
映像視聴できる環境が必要になりますので、想定人数分のモニターやパソコンの設置が前提となります。
生徒側が応答する必要がある場合は、カメラやマイクの整備とカメラ映りを意識した照明、声の反響対策を部屋全体で考慮する必要も出てきます。
いずれの場合にも、お互いの音声や映像が干渉しないようパーテーションでの区切り方はより個室に近いものが求められます。
多数の機器が配置される関係上、配線は露出しないようにすることで、マシントラブルや生徒が躓いてしまうなどのリスクを低減できます。
物理的な環境に加え、想定接続台数に応じて安定した通信環境を提供できるよう整備も必要です。
塾の内装工事の費用相場
塾においては業態に特有の設備が必須要求はされないため、比較的内装工事費を抑えやすい傾向にあります。
元オフィス物件などの設備やレイアウト上類似する居抜き物件を活用できれば、最低限の工事内容を押さえた場合の一般的な坪単価相場としては、10万円~15万円になります。
ただし、この金額は地域差や指導形態によって左右されます。
また、使用する素材やデザイン性などにこだわる場合には当然ながらその内容に比例して工事費用は上がっていくので、予算に応じて力を入れる部分の取捨選択や物件選びが重要になります。
極力イニシャルコストを抑えたいのであれば、前述のように元オフィス物件のような、空調・換気・照明設置済みかつテナント外周仕上げが済んでいるような物件をベースに考えるのがよいでしょう。
指導形態によっては間仕切りや防災設備、電気通信設備などの工事が追加で加わりますので、考慮に入れておく必要があります。
2階以上に位置する空中物件では、窓にサインを設置可能であるなど広告効果が見込める場合には賃料の節約の観点からも有効な選択肢になりえます。
反対にデザイン・レイアウトの自由度を確保するならスケルトン状態の物件が必要となりますが、その分工事費用は掛かるので予算との相談になります。
広い物件を検討する場合には、坪数が大きいほど坪単価は抑えやすい性質を利用してスケルトン物件もシミュレートしておくと検討の幅が広がります。
いずれにおいても、基本的な内容の他に盛り込みたい要素や条件がある場合には、内装施工の専門業者に費用について相談をするのが確実です。
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内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
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選ばれる塾の内装を作り上げましょう!

塾の内装には、生徒が学習を行う上でいかに安心・快適な空間となるかをベースとして、塾のコンセプトに合わせた要素を盛り込んでいきましょう。
あくまで教室・学習スペースを中心に空間的機能を十分整えることが優先ですが、ブランドイメージやコンセプトに沿った印象的な内装を施すことで、より選んでもらいやすくなるための独自性や説得力が高まります。
カエル・デザイン・プロジェクトでは、ご要望に沿った提案はもちろんのこと、更に前段階のブランディング・コンセプトづくりからご支援することも可能です。
コンセプトの明確化が選ばれる塾の内装イメージを作りあげる上で重要になるため、新規開業の際や改装に伴うテイストの刷新のコンセプトに迷われている場合にも、お気軽にご相談ください。
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