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- 内装工事の勘定科目は?仕訳方法、所有・賃貸の処理の違いも詳しく解説
2026年2月23日出店コンサルタントに関する話題

内装工事の費用は、すべて同じように経費処理できるわけではなく、工事内容や物件の所有形態によって勘定科目や仕訳方法が大きく異なります。資本的支出と修繕費の判断を誤ると、税務上のリスクにつながる可能性もあるため注意が必要です。
今回は、内装工事の勘定科目や仕訳方法、所有・賃貸別の会計処理の違いについて解説します。
目次
内装工事は「資産」として計上

内装工事の費用は、資本的支出と判断された場合は固定資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却※します。
資本的支出とは、建物の性能や価値を向上させる工事です。店舗の全面リニューアルや機能性を高める改装工事などがこれに該当し、支出した年度に一括で経費計上するのではなく、固定資産として計上し耐用年数に応じて減価償却します。
一方、壁紙の張り替えや床の補修といった原状回復を目的とした工事は修繕費として必要経費に計上できます。
なお、資本的支出か修繕費かの判断に迷う場合は、国税庁が提供するフローチャートが参考になります。
※減価償却 … 固定資産の取得費用を使用期間にわたって分割して経費計上する会計処理のことです。
内装工事の主な勘定科目
内装工事の仕訳では、工事の性質に応じて「建物附属設備」「建物」「諸経費」「備品」の4つの勘定科目を使い分けます。それぞれの区分基準を解説します。
建物附属設備
建物本体に付随する設備工事が該当し、法定耐用年数は電気設備や給排水設備などの多くが15年です(設備により異なります)。
- 〈 例 〉
- ◦ 電気設備(照明設備)工事
- ◦ 衛生設備または給排水工事
- ◦ ボイラー設備、冷暖房工事
- ◦ エスカレーター・エレベーター工事
- ◦ ガス設備工事
建物
建物本体に対する内装工事、つまり建物に固定されて動かせないものが該当します。間仕切りを壁や床などに固定すると「建物」、可動式なら「建物附属設備」に分類されます。
- 〈 例 〉
- ◦ 土木工事
- ◦ ガラス工事
- ◦ 防水工事
諸経費
端数調整として利用される場合もある比較的曖昧な勘定科目です。業者によっては細かい内訳を記載しないことがあるため、仕訳ミスを防ぐために必ず内訳の説明や明細を提示してもらいましょう。
- 〈 例 〉
- ◦ 人件費
- ◦ デザイン費用
- ◦ 官公庁の手続き費用
備品
業務上必要とされる消耗品のうち、20万円以上のものが「備品」として計上されます。
- 〈 例 〉
- ◦ PC
- ◦ 電話機・複合機
- ◦ 事務用デスク・チェア
- ◦ クローゼット
なお、取得価額が10万円以下の場合は「消耗品」として計上し、10万円超20万円以下の備品については「一括償却資産」として計上した上で、3年間にわたり均等に減価償却します。
状況に応じて、備品の耐用年数に合わせて内容を細分化して計上する場合もあれば、すべてを「備品」として一括で仕訳する場合もあります。
自社所有物件と賃貸物件での処理の違い

内装工事の減価償却では、自社所有物件か賃貸物件かによって耐用年数の算定基準が大きく異なります。物件の状況に応じた適切な処理が必要です。
以下では、それぞれの違いと注意点について解説します。
自社所有の場合
自社所有物件では、新築か中古かによって耐用年数の計算方法が大きく変わります。
新築の場合
新築物件の場合、建物の構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)や用途(事務所、店舗、工場など)に応じた法定耐用年数がそのまま適用されます。
中古物件の場合
中古物件の場合、耐用年数は「法定耐用年数から経過年数を差し引いた値に、その経過年数の20%を加えた数値」によって算定されます。例えば、法定耐用年数が30年の建物で築10年の場合、(30年-10年)+10年×20%=22年が耐用年数です。
ただし、築年数がすでに法定耐用年数を超えている場合には、法定耐用年数の20%に相当する年数を耐用年数として適用します。法定耐用年数30年の建物が築40年であれば、30年×20%=6年が耐用年数です。算出した年数に1年未満の端数が生じた場合は切り捨てます。ただし、計算結果が2年未満となる場合には、2年の耐用年数が適用されます。
また、大規模なリノベーションを行った場合も注意が必要です。中古建物の取得価額や再取得価額との割合により、新築と同じ法定耐用年数を用いる場合があります。例えば、中古建物のリフォーム工事費がその再取得価額の50%を超える場合は、税務上「実質的に新築に近い」と判断され、新築の建物と同じ法定耐用年数を適用する取扱いが一般的です。
賃貸の場合
賃貸物件の場合は、自社所有の建物とは異なる基準で耐用年数を判断します。原則として、国税庁が定める「他人の建物に対する造作の耐用年数」に基づいた年数を使用します。
明確な年数が一律に決まっているわけではありませんが、実務上は一般的に10〜15年の範囲で設定されることが多いです。
ただし、賃貸契約の内容によっては、契約期間そのものを耐用年数として適用できる特例があります。この特例を適用するには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- ◦ 賃貸契約に定められた賃借期間があること(定期借家契約など)
- ◦ 契約の更新ができないこと(更新条項がないこと)
- ◦ 内装工事の費用に関して有益費請求や買取請求ができないこと(退去時に原状回復義務があること)
これらの条件を満たす定期借家契約などで5年契約であれば、内装工事の耐用年数を5年として減価償却できます。これにより、より短期間で費用を回収できるため、税務上のメリットが大きくなります。
また、詳しくは後述しますが、内装工事の内容によっては建物の付属設備に該当する場合もあります。同じ賃貸物件の工事でも内容によって勘定科目と耐用年数が異なるため、工事内容を適切に区分して処理することが重要です。
内装工事費用を仕訳する際の注意点・ポイント

内装工事の仕訳では、勘定科目の選択や費用の按分方法によって減価償却期間が大きく変わります。
特に「建物附属設備」として処理できる工事の見極めと、設計費などの共通費用の按分方法は、税務上重要なポイントです。それぞれ解説します。
「建物附属設備」として処理できる工事を見極める
「建物附属設備」の法定耐用年数は「建物」と比べて短く設定されているため、より早く償却でき、初期の税負担を軽減できます。そのため、建物附属設備で区分できる費用がある場合は一括で計上せず、個別に減価償却することをおすすめします。
具体的には、建物に該当する鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の事務所用建物は最長50年です。対して、建物附属設備は、電気設備(蓄電池電源設備以外)や給排水設備などで15年、昇降機設備で15~17年、そのほかの設備も18年以内です。
例えば、1,000万円の内装工事のうち、照明設備や空調設備などで500万円を建物附属設備として区分できる場合を考えてみましょう。すべてを建物(耐用年数50年)として一括計上すると年間の減価償却費は20万円ですが、建物附属設備(耐用年数15年)として500万円を区分すれば、その部分だけで年間約33万円の減価償却が可能になります。
特に電気設備工事、給排水設備工事、空調設備工事、ガス設備工事などは建物附属設備として区分できる可能性が高いため、見積書や請求書の内訳を確認し、適切に仕訳することが重要です。
設計費・仮設工事費なども按分して計上する
内装工事全体にかかる設計費や仮設工事費(足場代、養生費など)は、支払時に一括で経費として処理するのではなく、「建物」や「建物附属設備」など該当する固定資産に按分して計上しなければなりません。これは、固定資産の取得に直接要した費用はその資産の取得価額に含めるべきとされているためです。
具体的には、工事費の金額比率や床面積比率などの合理的な基準で按分します。例えば、建物工事が600万円、建物附属設備工事が400万円で、共通の設計費が100万円の場合、設計費を6:4の比率で按分し、建物に60万円、建物附属設備に40万円を加算して計上します。
同様に、固定資産の取得に要した運搬費や設置費も取得価額に含めて計上するため、支払時の経費にはなりません。これらの費用も含めた総額が減価償却の対象となり、耐用年数にわたって費用化されていきます。
このルールを理解せずに共通費用を一括で経費計上してしまうと、税務調査で指摘を受ける可能性があるため注意が必要です。
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まとめ
内装工事の会計処理では、資本的支出か修繕費かを正しく判断し、工事内容に応じて建物・建物附属設備・備品などの勘定科目を適切に使い分けることが重要です。さらに、自社所有か賃貸かによって耐用年数の考え方も変わるため、契約内容や工事内訳の確認が欠かせません。見積書や契約書を細かく確認し、合理的な基準で仕訳・按分を行うことで、税務リスクを抑えた適切な処理をしていきましょう。
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