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屋外広告物に必要な申請とは?基本と手続きの流れ、注意点を解説

カエルの内装建築コラム

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2026年3月16日看板・サインに関する話題

屋外広告物が並ぶ繁華街

屋外に設置する看板やサインといった広告物は、多くの人に商店や会社、サービスの存在と内容をアピールする効果的な手段と言えます。

一方で、街中に無秩序に広告物が氾濫してしまうと、景観や安全性が損なわれるおそれもあります。

現在では、これら広告物の濫用を防ぐ目的から、屋外や施設・建物の壁面などに広告物を設置するには「屋外広告物の許可申請」が必要となっています。

しかし、その手続き内容や把握すべき規制は地域ごとに異なるなど煩雑です。

本記事では申請がスムーズに運ぶよう、屋外広告物に関する定義や根拠法令、申請の具体的手順、許可後の義務など、全国的に共通する基本事項を中心に解説しています。

屋外広告物に該当するものとは

駅前ビルの屋外広告物

はじめに、屋外広告物として扱われるのはそもそもどのようなものなのか、一般的な概念を解説します。

屋外広告物の定義

屋外広告物の規制については、大元の方向性を屋外広告物法で定めています。

その第2条では、屋外広告物を「常時または一定期間継続して屋外で公衆に表示されるもの」と定義しています。

実際に屋外広告物に当てはまるかのポイントは、「屋外」で「継続的」に「誰でも見られる形で表示している」という3つの要素が揃っていることです。

具体的には、主に次のようなものが屋外広告物に該当します。

【屋外広告物の例】
◦ 壁面看板(ビルや店舗外壁に取り付けるもの)
◦ 袖看板・突出し看板(壁面から道路側に張り出すもの)
◦ 屋上広告塔・屋上看板
◦ 独立した広告柱・広告塔
◦ 電柱・街路灯を利用した広告
◦ アドバルーン・広告幕・電光表示装置 など

一方、次に挙げるものは前述の要素を一部満たさないことから、屋外広告物には該当しないとされています。

【屋外広告物にあたらない掲示物の例】
◦ ショーウィンドウ
◦ 内側から貼られた窓面サイン
◦ 音響広告
◦ 掲出期間がごく短い一時掲示物 など

注意点としては、屋外広告物法上では定義の範囲外でも、個別の地域条例単位では規制が設けられている場合があることです。

建物の窓の内側から外に向けて設置されている、つまり屋外にない窓面サインなども、景観への影響の観点から一定の基準が課せられる可能性がありますので、地域ごとに規制の対象と内容については確認が必要になります。

申請許可不要の適用除外・免除基準の扱い

各自治体条例では広告物に対して、規制適用対象外となる「適用除外」と、規制は適用されるものの許可申請が省略できる「許可不要(免除)」の二種類の扱いを定めているのが一般的です。

適用除外とは、そもそも法律や条例の適用対象外となるケースです。

該当する代表的な例としては、次のようなものになります。

【適用除外となる掲示物の例】
◦ 自家用広告物(自己の氏名・商号・事業内容を表示)で面積が一定の範囲を超えないもの
◦ 冠婚葬祭・祭礼等の行事に伴うもの
◦ 選挙運動用のもの

一方、許可不要(免除)とは、法律や条例の適用は受けるものの申請を省略できるケースです。

こちらは自治体ごとに基準が細かく設定されていますが、例としては次のようなものがあてはまる傾向があります。

[申請免除となる掲示物の例]
◦ 自家用広告物で小型の物(地域により基準が異なります)
◦ 営利を目的としない貼り紙
◦ 貼り紙など簡易な広告物で数日以内のごく短い期間の掲出に留まるもの

自治体によって定める基準は細かく異なります。
例えば東京都の場合は、自家用看板の面積が5㎡以下の場合は申請の必要がないとしています。

小さい広告物だからと申請不要と思い込まずに、各自治体の担当窓口への確認を怠らないようにしましょう。

屋外広告物許可申請の法的根拠

街中の屋外広告塔

屋外広告物の許可申請について、法的にどのような構造や体制で定められているか概要を解説いたします。

屋外広告物法と自治体条例の関係

先述の通り、屋外広告物の規制の根拠となる法律は「屋外広告物法」であり、良好な景観の保護と安全な設置による危害防止を主目的としていますが、屋外広告物法はあくまで都道府県や市区町村が条例を制定・運用する上で前提となるもので、実際の許可申請に関わる具体的な規制内容や様式などは、地域の条例ごとに個別に定められています。

さらに、景観法・文化財保護法・道路法・建築基準法なども連動して規制内容が組み合せられるため、仕様やサイズによっては看板一つの設置に複数の法令が関係するケースも珍しくありません。

このように基準が全国一律ではないことに加え、時に複数法令が絡む複雑性から、看板・サインを含む屋外広告物の設置に関しては、専門家に依頼することが推奨されます。

禁止区域・禁止物件・許可区域について

屋外広告物の設置可否について条例では通常、適用範囲を「禁止区域」「禁止物件」「許可区域」という三種類の区分に分けて定めています。

「禁止区域」

原則として屋外広告物の表示・設置が認められません。
地域により細かく異なりますが、概ね住宅街である第1種・第2種低層住居専用地域、景観保全が必要な風致地区、自然公園特別地区、文化財周辺などが指定されています。

「禁止物件」

構造物や特定の物件のうち広告物を表示・設置してはならないものを指定しています。
具体的には、橋梁・トンネル・鉄道施設・信号機・街路樹・電柱(自治体条例によっては看板付設を制限)などがあたります。

「許可区域」

上記の指定を受けていない場合、各自治体の条例基準を満たした上で許可を受けることで屋外広告物の設置が可能です。
主に商業地域や工業地域といった市街地や幹線道路の沿線などが該当しますが、満たすべき基準が各地の条例毎に別個に存在します。

例として、東京都では商業地域であっても「屋上広告は建物高さの3/10以内かつ最高15m以内」という高さ規制があります。

屋外広告物の種類や設置場所ごとに許可基準を満たすかの確認は必須と言えます。

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屋外広告物許可申請の基本的な流れ

具体的な屋外広告物許可申請の流れを、大まかに共通する主要なステップに分けて紹介いたします。

STEP1:事前調査と窓口相談

まずは設置予定の場所が許可地域に該当し、禁止区域や禁止物件に該当しないことと、検討している広告物が規制内容に抵触しないことを事前に確認しましょう。

申請窓口となる担当部署は、都道府県または市区町村の建築・都市景観・道路管理の各課など自治体により異なります。

万一申請書類や適合させる基準に対して不備があれば工事の遅延の原因になりえるため、許可申請を確実に済ませてから着工できるよう、余裕あるスケジュール計画を立てるのが望ましいです。

STEP2:申請書類の準備

東京都の屋外広告物許可申請書式

申請書類は自治体により必要なものが異なりますので詳細は担当窓口への確認が必要ですが、一般的な例としては以下のような書類が求められやすいです。

  • ◦ 屋外広告物許可申請書(自治体所定の様式)
  • ◦ 付近見取図(設置場所周辺の地図)
  • ◦ 設置場所の平面図・立面図・寸法入り広告物図面
  • ◦ 現況写真(設置予定箇所を複数方向から撮影したもの)
  • ◦ 土地・建物使用承諾書(設置場所が他者の所有の場合)
  • ◦ 構造計算書または仕様書(一定規模以上の場合)
  • ◦ 手数料(広告物の種別・面積・期間に応じた金額)

また、申請者が「広告物の表示者(広告主)」か「設置者(施工業者)」かによって提出すべき様式が変わるケースもありますので、申請者区分を事前に明確にしておくことがスムーズな手続きの鍵となります。

STEP3:他法令との整合性確認

広告物のサイズや仕様、設置場所の状況によっては、屋外広告物条例以外の法令上の手続きが別途必要になるケースがあるため、見落とさないように注意が必要になります。

関係する可能性のある他法令の例としては次のようなものがあります。

  • 【建築基準法に基づく工作物確認申請】
    高さ4mを超える広告塔・広告板は、建築基準法第88条により工作物として別途構造の審査の確認申請が必要になります。
  • 【建築基準法に基づく防火地域内の規制】
    建築基準法第66条により、防火地域内にある看板、広告塔などで、建築物の屋上に設けるものは高さに関係なく、または高さが3mを超えるものは、主要部材を不燃材料で造る、あるいは不燃材料で覆う必要があります。
  • 【景観法・景観条例】
    景観に関する指定地区に設置する場合や大規模建築物の壁面等に設置する場合には、広告物の大きさ、高さ、色彩等の基準が設けられている場合があります。
  • 【道路法・道路交通法に基づく道路占用許可・道路使用許可】
    袖看板など建物から道路空間に広告物が付きだす場合は、道路法に基づく道路占用許可が必要になります。
    また、設置のための工事や資材搬入で一時的に交通の制限が発生する場合には、道路交通法に基づく道路使用許可が同時に必要なケースもあります。

STEP4:許可取得後の対応

申請した内容で問題がなく許可されると、許可証許可済標識(シール)が交付されます。

許可済標識は許可を受けた広告物と併せて掲示する必要があり、自治体によっては設置工事が完了した後に「取付完了届」や「標識票貼付状況報告書」の提出を求めるケースもありますので、必要な対応は事前に確認しておきましょう。

申請許可後の注意点

無事申請が許可されたとしてもそこで終わりではなく、屋外広告物を掲出し続ける上で発生する適切な管理責任について触れていきます。

許可期間・更新・除却

屋外広告物の許可には有効期間が設けられており、期間は広告物の種類や自治体によって異なりますが、一般的には1〜3年程度の場合が多いです。

ただし、貼り紙や立て看板、アドバルーンなど性質上一定の耐久性を有しないものでは、許可期間がより短期のものも存在するので個別に確認が必要となります。

継続して広告物を掲出するためには、有効期間満了の前に更新申請の必要があります。

更新をしないで広告物を放置した場合、違法状態となり自治体から違反広告物であるとして除却命令が発せられることがあります。

老朽化した広告物の落下・倒壊事故を未然に防ぐ観点から、近年は行政の取り締まりが厳格化している傾向にあり、更新時期の管理は安全責任上広告物の管理者に課せられる重要な要素です。

定期点検と安全管理

広告主ないしは管理者には屋外広告物を良好な状態を保持する安全管理義務があります。

自治体によって基準は様々ですが、一定規模以上の屋外広告物は有資格者による定期点検や報告書の提出が義務化されます。

具体的には支持部材の腐食・電気系統の劣化・取付ボルトの緩みなどを早期に発見し、落下・倒壊を未然に防ぐ目的で、設置後も定期的な点検計画を立てるのは安全面維持の面で非常に重要です。

[ミニコラム]屋外広告物と保険

過去には、管理を怠ったことにより看板の落下事故が起こり、通行人に死傷者が出るという不幸な事故の発生例もあります。

屋外広告物の設置にあたっては必要に応じて動産保険の適用などを検討し、社会的責任を伴うものであるということを意識して備えておく必要があります。

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屋外広告物に特徴的な規制を敷く地域の例

いたる所に設置される屋外広告物

屋外広告物に対し特徴的な規制内容を定めている地域として、東京都(23区)、京都市、札幌市、福岡市をピックアップして紹介いたします。

東京都(23区)

規制基準として、建物に設置する広告物の面積が広く用いられますが、東京都では「建物全体」で面積を合計して判定します(他地域では個別計算の場合もある)。

商業地域内の建物に表示する広告物の合計面積については、各壁面と建物全体で適用される下記のような二重の上限が存在します。

  • ◦ 壁面に設置する広告物の合計面積がその壁面面積の30%以内
  • ◦ 高さ10mを越える建物全体での広告物の総表示面積が、広告を表示可能な総壁面面積の60%以内

その他、景観行政団体となっている大多数の区は、それぞれの特色に合わせ意匠や色彩等に配慮すべき点を景観ガイドラインなどに細かく定めているため、全体的に注意すべき点が多い地域となります。

京都市

2007年の新景観政策実施以降、全国的に見ても突出して屋外広告物に厳格な規制を設けているのが特徴です。

市内全域を21種類の規制区域に非常に細かく指定し、厳しい基準が多く存在することから、特にデザイン・仕様確定前に担当部署への事前相談が不可欠となります。

屋外広告物の基準のうち、表示高さに関しては特に厳しく、区域ごとに決められた高さの基準と建物の3分の2までの高さを比較して低い方が上限となり、屋上屋外広告物も市内全域で禁止されています。

点滅式照明・可動式照明も市内全域で禁止され、広告物の色彩についてもマンセル値(色を色相・明度・彩度で表す方式)の色相・彩度によって、禁止色および使用面積が大きく制限される規制対象色が定められています。

自家用屋外広告物が許可不要となる面積基準も1つあたり0.3㎡かつ合計2㎡以下と、他地域の基準が合計5㎡~10㎡程度なのに比べ、非常に厳しく設定されています。

札幌市

市内の許可地域を、許可基準の異なる次の3種類の地域に区分しており、第1種から第2種・第3種になるにつれ規制が厳しくなる傾向にあります。

  • ◦ 第1種地域:市街化区域の地域(第3種地域、広告物活用地区、景観保全型広告整備地区を除く)
  • ◦ 第2種地域:市街化区域以外の地域(主に市街化調整区域など)
  • ◦ 第3種地域:市内の支笏洞爺国立公園の区域内にある市街化区域(定山渓温泉街の周辺地域)

また、通常の規制区分とは別に、次のような特別な許可基準が適用される地区も設けられている点が特徴的です。

  • ◦ 広告物活用地区:
    第1種地域よりも基準を緩和し、個性ある広告物の設置を認めています。
    店舗、飲食店、娯楽・遊戯施設などの多いすすきの近辺が指定されています。
  • ◦ 景観保全型広告整備地区:
    独自の内容で第1種地域よりも規制を強化している地域です。
    札幌駅南口・北口、札幌駅前通北街区、大通地区が該当します。
福岡市

許可期間について、他の自治体では2-3年程度の許可期間を設けている場合が多いのに対し、原則1年を上限として定めており、少なくとも毎年の更新申請が必要な点が特徴的です。

通常の区域区分に加えて「都市景観形成地区」としてシーサイドももち、御供所、はかた駅前通りなどの9つの地区が指定されており、これらの地区ではそれぞれの専用基準が適用されます。

また、LEDビジョン・ネオンサインへの規制も厳しく、発光や内容変動する広告物は全て許可申請が必要かつ、点滅頻度やスクロール頻度に対しても大きく制限がかかります。

まとめ

ビルに設置された突き出し看板

屋外広告物の許可申請には、法令の把握から事前調査・申請書類準備・他法令との整合確認・設置後の維持管理まで、多岐にわたる知識と段取りが求められます。

特に建築確認申請・道路占用許可との並行対応や、地域ごとの条例差への対応は、経験のない方には難易度が高いプロセスであり、設計・施工の知見を持つ専門家との連携が、スムーズかつ確実な申請に役立ちます。

カエル・デザイン・プロジェクトでは店舗やオフィスの設計施工に伴う屋外看板やサインといった広告物の許可申請を含む計画段階からお力添えが可能ですので、ご検討の際は是非お気軽にご相談ください。

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