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- 目立つ看板デザインで空間の印象を決める │ 集客につながるデザインのポイント
2025年12月15日看板・サインに関する話題

看板はファサード(正面から見た建物の外観)の中でも、その店舗を印象付ける重要な要素です。
店名や事業内容を掲示することで、訪れる人がその建物を見つけられるようにするための目印となり、通りがかった人の興味を引く広告の役目も担います。
多様な状況からの集客を見込み、看板は目立つ・際立つように作るのが基本です。
ただし、必ずしも「目立つ=派手」ではありません。
一口に「目立つ看板」と言っても様々なものがあり、看板の内容や周りの環境とのバランスなど、全体のデザインで左右されるのです。
この記事では、集客を高める目立つ看板のポイントを解説します。
目次
目立つ看板デザインに共通する要素

短時間で伝達される
「目立つ=派手」ではない、と前置きをしましたが、端的に言うと情報が短時間で伝わる構造設計が一番の決め手と言えます。
情報を早く確実に伝えるためには、視認性の良いデザインが必要です。
※視認性の良いデザインについては後述します
もちろん、奇抜なアートやギラギラと輝く派手な看板であれば存在感が大きいのは事実ですが、そこに視認性の良さがなければ「ただ騒がしい印象の、何かの看板」としか記憶されないことも考えられます。
数秒だけ看板を見た後、その場を離れても「こういう内容の看板だった」と覚えていられるようなデザインが、集客においては望ましいです。
ターゲットの目線に入る
ターゲットに合わせ、通行動線や視認距離を意識した構成であることは、目立つうえで大きなポイントです。
基本的には
- ・遠くから見る看板は大きく
- ・近くから見る看板は目線の高さ
という考え方がベースとなります。
例
・車のドライバー ⇒ 小さい看板だと内容を認識する頃には通り過ぎてしまうことがある。
・近くを通る歩行者 ⇒ 目線よりも高すぎる位置にあると視界に入らない可能性がある。
ただし、ベースの考え方はありつつも、大きくて高い位置にある屋上看板などは比較的どのターゲットでも遠くの位置から見つけることができるため、その場合「ターゲット位置から見た時の遮蔽物の有無、またその規模」など、大きさや高さ以外にも条件の確認が必要になります。
看板が目線に入るかどうかはその物件の特徴によって変わってきますので、集客のためには実際に看板を視認させたい人の目線に立ち、大きさや配置を検証することが大切です。
ブランドの一貫性がある
単なる案内表示としてだけでなく、看板にはファサードを構成する要素のひとつとしてブランドの印象を強化する重要な役割があります。
特に店舗名は一番見られる部分であり、お店の名刺代わりとなるものです。
看板の印象が来店前の期待値に大きく影響するため、細部にこだわることでブランド価値が直感的に伝わります。
看板を含めたファサード全体が一貫性をもってブランドを表現していると、遠目から見ても店舗を際立たせ、通行人の視線が自然と誘導されるのです。
看板を目立たせたい時の組み合わせ - 種類とデザインのバランス
看板には種類があり、店舗の規模や戦略によって「目立つ」度合いが変わります。
まずは一般的に広く使われている看板の特性に注目してみましょう。
※本記事で取り上げるのは、建物の外壁や敷地内に設置する看板をメインとしています。

- ・壁面看板 … 建物の顔として広い範囲をカバー。建物外観と統一感を持てる。
- ・屋上看板 … 遠距離からの視認性が高く、目印になる。
- ・チャンネル文字 … 立体的な文字のこと。光で様々な演出ができ、デザイン性が高い。
- ・スタンド看板 … 人の動線を考えて誘導することができる。
その他、特殊成形看板などでブランドの世界観を演出する方法もあります。
1棟を1つの店舗だけが占めている所謂“大型店”と呼ばれるようなものや、商業施設などの来館者数が非常に多い店舗に関しては、建物自体が大きいため「壁面看板」「屋上看板」を設置することが多いです。
この場合、近くで見ることは想定せず、遠くから見やすいようデザインは極力すっきりとシンプルにすることを心掛けると良いでしょう。
住宅街にある小さなカフェなどは「スタンド看板」や「A看板」、店名の「チャンネル文字」など目線の高さに近い看板を利用しやすいので、より繊細な表現が活きてきます。
外装や内装と一体感を出せるよう、看板の種類とデザインは並行して検討していくとバランスが取りやすいです。
看板・サインのご相談受付中
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目立つ看板をデザインする時のポイント

視認性
看板は視認性を確保する必要があり、コントラストを強調した配色を意識すると目立ちやすくなります。
これは大小問わずどんな看板にも言えることで、ふとした時の目の留まりやすさから、「看板がある」と認識した後の「何が書いてあるか」という理解の段階までをしっかり伝えられるからです。
ブランドカラーやロゴの規定がある場合はその範囲内か、逸脱しすぎない範囲での微調整を行ってみましょう。
余白とフォント
余白とフォントのバランスを整え、読みやすい構成を意識することもポイントです。
例えば、看板の端ギリギリまで文字があると、大きくても見づらくなってしまいます。
太い文字だから絶対目立つ、というわけでもありません。
前述したコントラストが弱ければそのフォントの持つ力強さは発揮できないですし、過度に装飾がついた文字だと判読性も落ちてしまうことがありますので、デザインを確認する時は少し距離を離して見てみることをおすすめします。
程良い大きさ・太さ・フォントを選択すると良いですが、ブランドの個性や業種のイメージから離れすぎてしまわないように注意してください。
照明
他にも、照明計画は看板をより目立たせる演出のためにも考えておきたい要素です。
バックライトやスポットライトなど種類は様々で、看板の種類や大きさ、演出したい方向性などによって使うものも変わってきます。
昼と夜、どちらも美しく見えることを意識しましょう。
昼間のみの営業だったとしても、日本の冬ですと17時を過ぎる頃にはもう薄暗くなってきますので、光の演出は効果的です。
店舗のジャンルによっては光の色が変わるなど、動きがあるものをチョイスしても話題性があるかもしれません。
配線の都合もあるため、照明も看板と同じタイミングで計画を立てていくのが理想です。
有名看板から見る「目立つデザイン」

世の中にはたくさんの看板が存在しており、どのデザインも個性のあるものばかりです。
様々なアプローチで他企業との差別化を図ろうとしているのが分かります。
一度見たら印象に残る看板の中からいくつかをピックアップして、よく観察してみましょう。
大阪「道頓堀グリコサイン」/ 札幌すすきの「ニッカウヰスキー」
道頓堀の有名観光スポットである「道頓堀グリコサイン」と、北海道一の繁華街すすきの のシンボル「ニッカウヰスキー」の看板。
2つに共通するのは「壁面看板・大型・発光する・モチーフがヒト」です。
陽が落ちてからも賑わいが絶えない場所で、このサイズ感の壁面ネオンサインは大変目立ちます。
大きさやネオンだけでなく、「目・鼻・口など顔のパーツが揃っているモチーフ(特にヒト)」が描かれていると人間は目を留めやすい傾向があり、さらに「赤」という注目されやすい色が顔の近くにあるため、自然と視線を誘導されてしまうのも目立つ要因です。
“採用モチーフ勝ち”という面が大きいため、なかなか参考にしづらいポイントではありますが、イメージキャラクターなどがいる企業は取り入れてみても良いかもしれません。
コメダ珈琲店
焦げ茶色にオレンジで日本語フォント、というインパクトがある看板の「コメダ珈琲店」。
店舗によって色の使い方に違いはあれど、唯一無二の筆文字やコントラストの強さはどこにある店舗でも目立ちます。
コメダ珈琲店はレンガ調などのレトロな雰囲気をファサードに取り入れることが多いため、外観とのバランスが取れた看板です。
青いシンボルマークのカップから立ち昇る湯気のぐるぐるとした模様も、看板に大きく載ることでより印象的になります。
マクドナルド
言わずと知れた、赤い背景に黄色い「M」のマークのファストフード店「マクドナルド」は、その一般認識として定着している色やロゴを活かした「変形看板」を多く展開。
高い位置にある自立看板は遠くからでも視認性が良く、大きな「M」は文字数が1つしかないため必然的にシンプルな構造となり、変形看板としてフォルムがしっかり伝わるデザインとなっています。
日本では景観条例などの規制に則った珍しい色の看板があったり、海外ですとかなり斬新なデザインの看板を作ったりする企業ですが、どのシチュエーションでも“マクドナルドらしさ”が損なわれない工夫がされているので、街を歩く時にぜひ注目してみてください。
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看板デザインを目立たせたい時の注意 - 法令順守

看板を目立たせたいとしても、決められた規定とメンテナンスが可能な範囲内で作成する必要があります。
安全
看板は基礎工事をしっかり行い、耐震性・耐風圧性を確保する必要があります。
落下防止の施策や、電気系統などの安全性、腐食対策(ポール式看板などは特に )も確認してください。
看板は頭上にあることも多いため、最悪の事態を招かないよう安全第一に考えましょう。
心配な場合は保険の加入も視野に入れておくと良いです。
法令
屋外看板は「屋外広告物法」や各自治体の条例で規制されていることがほとんどです。
「建築基準法」「道路法」なども関係してくるため、掲示したい場所が抵触しないかよく確かめておきましょう。
環境
自治体ごとに「景観条例」(色彩や大きさの制限など)があるため、設置前に市役所・土木事務所で先に確認しておきましょう。
また、点灯する看板の場合は、近隣への「光害」とならないように夜間照明の明るさや点灯時間の調整をしてください。
定期点検も忘れずに行うことでトラブルを防ぐことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
目立つ看板は「派手さ」よりも「伝わりやすさ」が鍵です。
空間デザインと一体化した看板は、長期的なブランド価値を高めます。
法令順守や安心設計も大切であるため、適宜確認しながら進めていきましょう。
カエル・デザイン・プロジェクトでは、ロゴデザインから看板デザインまで、内装・外装に関わるデザイン全般のご相談をお受けしております。
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