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- 防音工事の見積りを攻略!値段と得られる防音効果
2025年11月3日内装工事の施工と管理に関する話題
現代のビジネス環境において、騒音問題は避けて通れない課題となっています。近隣との騒音トラブルなど迷惑行為にとどまらず、深刻化すれば法的リスクに発展しかねません。
周辺住民やテナントとの良好な関係維持は、ビジネスの継続性において極めて重要です。騒音によって一度失った信頼を取り戻すのは困難であり、評判の悪化は集客や利用率にも直接的な影響を及ぼします。

さらに、防音工事は働く環境の改善にも大きく貢献します。騒音ストレスから解放された快適な職場環境は、従業員の生産性向上やモチベーション維持につながり、最終的には顧客満足度の向上という形で、投資に見合った成果として返ってくるのです。
こうした背景から、防音工事は単なるコストではなく、ビジネスの持続的成長を支える重要な投資として捉えることができます。本記事では、防音工事の費用相場から適正価格の見極め方まで、実践的な知識を体系的にお伝えします。
目次
【工事タイプ別】防音工事の費用相場

防音工事には様々なアプローチがあり、求める効果や予算に応じて最適な工事タイプを選択することが重要です。ここでは、代表的な4つの工事タイプについて、それぞれの特徴と費用相場を解説します。
簡易防音工事の場合
簡易防音工事は、既存の壁や天井に防音材を追加する比較的手軽な方法です。費用相場は1面あたり15~30万円程度となっており、部屋全体で考えると、6畳の空間であれば60~120万円程度が目安となります。ただし、この方法では音の低減効果は限定的で、一般的に10~15dB程度の遮音性能向上にとどまります。日常会話レベルの音漏れ対策には有効ですが、楽器演奏や大音量での音楽鑑賞には不十分な場合が多いでしょう。
本格防音工事の場合
本格的な防音工事では、壁・床・天井の全面的な改修を行います。6畳の部屋に防音工事を施す場合の費用相場は10~300万円という幅広い価格帯となりますが、一般的な施工では150~250万円程度が中心価格帯となります。この工事では20~30dB程度の遮音性能向上が期待でき、ピアノ練習や小規模な音楽活動にも対応可能なレベルまで防音性能を高めることができます。
防音室を新設する
最も本格的な対策として、防音室の新設があります。6畳の防音室を新設する場合、鉄骨・鉄筋構造で230~360万円、木造では280~400万円が相場となります。この価格帯では、40dB以上の高い遮音性能を実現でき、会議室、VIPルーム、音楽スタジオなど、厳格な防音要求に応えることが可能です。完全独立型の防音構造により、外部への音漏れを最小限に抑えられます。
部分的な防音対策
予算や必要性に応じて、部分的な防音対策を選択することも有効です。窓の二重サッシ化は20~50万円、防音ドアへの交換は15~40万円程度で実施可能です。これらの部分対策は、コストを抑えながら特定の音の侵入経路を遮断したい場合に適しています。特に外部からの騒音対策や、隣室への音漏れ防止には効果的な選択肢となります。
【業態別】予算目安と工事内容
業態によって必要とされる防音レベルや工事内容は大きく異なります。ここでは、代表的な4つの業態について、それぞれの予算目安と具体的な工事内容を解説します。

飲食店|厨房・客席エリアの防音工事

飲食店における防音工事の予算目安は50~200万円となります。主な工事内容は、厨房と客席エリアの遮音対策です。厨房から発生する調理音や換気扇の騒音が客席に漏れないよう、防音壁の設置や吸音材の施工を行います。客席エリアでは、会話が心地よく楽しめる程度の防音性能を確保し、BGMや話し声が適切なレベルで保たれる音響環境を整えます。
会社オフィス|会議室の防音工事

オフィスの会議室防音工事は30~150万円程度で実施可能です。重要な商談や機密情報を扱う会議室では、音漏れ防止が必須となります。壁面への防音パネル設置、天井の吸音処理、ドアの防音仕様への交換などにより、会議室と他のフロアとの確実な遮音を実現します。これにより、プライバシーの保護と集中できる会議環境の両立が可能となります。
音楽スタジオ|全面防音工事

音楽スタジオの防音工事は200~400万円が標準的な予算です。壁・床・天井・扉のすべてに防音処理を施し、高い遮音性能を実現します。特に低音域の振動対策として、浮き床構造の採用も検討されます。調整室がある場合は、観察窓に防音ガラスを使用することで、スタジオ内の音響を損なうことなく外部への音漏れを防ぎます。
コールセンター|フロア全域での防音工事

大きな音が発生することの多い業種では、やはり大規模な工事となるケースが多く、コールセンターのフロア全域での防音工事も200~600万円程度の予算が必要となります。部屋全体の防音だけでなく、各ブース間の遮音対策も重要です。パーティションへの吸音材設置、天井からの音の回り込み防止処理など、オペレーターが集中して業務に取り組める環境を構築します。
【防音効果】適正価格の見極めポイント
防音工事において最も重要なのは、適正価格を見極めることです。工事内容は、悩んでいる音の種類や建物構造、周辺環境などにより必要な防音対策が大きく変わります。そのため、市場相場と単純に比較するだけでなく、自社の状況に応じた最適な工事内容と費用対効果を評価することが重要となります。
必要な防音対策とは
まず、実現したい防音効果を明確にすることから始めましょう。例えば、外部からの騒音を遮断したいのか、室内の音漏れを防ぎたいのか、その目的によって必要な対策は大きく異なります。音の周波数特性も考慮が必要で、低音域の振動は壁や床を伝わりやすいため、単なる吸音材の設置だけでは不十分な場合があります。
また、音だけでなく振動対策が必要なケースもあります。重機や大型設備を使用する事業所では、防振対策を含めた総合的なアプローチが求められます。過小な工事では期待する効果が得られず、逆に過剰な工事は無駄なコストとなってしまうため、適切なバランスを見極めることが肝要です。
施工内容・工事範囲の擦り合わせ
叶えたい防音効果から逆算して、必要な工事内容を決定していくプロセスが重要です。例えば、会話のプライバシーを守る程度であれば簡易的な防音で十分ですが、楽器演奏や音楽制作を行う場合は本格的な防音室の構築が必要となります。
施工内容の決定は専門業者との綿密な相談が不可欠です。現地調査を通じて建物の構造を把握し、音の伝搬経路を特定した上で、最も効果的な対策を提案してもらいましょう。この段階で複数の業者から提案を受けることで、より適切な判断が可能となります。
工事内容と使用部材をチェック
見積書を精査する際は、以下のポイントを確認することが重要です。
- ◦使用部材 … 防音材の種類(グラスウール、ロックウール、遮音シートなど)
- ◦部材の仕様 … 厚み、密度などの具体的数値をもとに性能の見当をつける
- ◦性能表示 … TLD値※(透過損失)やSTC値※(音響透過等級)が明記されているか
- ◦工事詳細 … スケジュール、工賃内訳、諸経費が明確であるか
- ※TLD値: 壁そのものの遮音性能を表す理論値
※STC値: 建築物の遮音性能を測定に基づいて評価したもの
特に性能表示の数値が明記されていれば、期待できる防音効果を客観的に評価できます。

市場相場を大きく下回る見積りには注意が必要です。一見魅力的な低価格には、様々な落とし穴が潜んでいることがあります。例えば、基本工事のみの金額を提示し、実際には「オプション」として追加工事が次々と発生するケースです。
また、使用する部材のグレードを落として価格を抑えている場合もあります。安価な部材では期待する防音効果が得られず、結果的に再工事が必要となり、トータルコストが膨らむことも珍しくありません。見積りの「からくり」に騙されないよう、内訳の詳細な確認と、追加費用の発生条件を事前に明確にしておくことが、予算オーバーを防ぐ鍵となります。
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【実践編】防音工事の値段
実際に防音工事を依頼する際には、具体的な準備と適切な業者選定が成功の鍵となります。ここでは、見積り依頼から業者選定まで、実践的なポイントを解説します。
見積り依頼時におさえるべき情報
防音工事の見積りを依頼する際は、以下の内容を事前に確認しておくことが重要です。
- 《 確認すべき5つのポイント 》
- ☆現地調査の有無 … 図面だけでは把握できない建物特性の確認が必要
- ☆工事期間 … 営業継続か休業期間設定かで工事計画が変化する
- ☆用途の明確化 … 具体的な使用目的と必要とする防音レベルを決定
- ☆防音レベル … 数値目標(dB)があれば具体的に提示する
- ☆希望施工範囲 … 優先順位を明確にして予算内での最適提案を促す
比較しやすい見積りの作成を依頼しよう
複数業者から見積りを取る際は、比較しやすい形式で作成してもらうことが大切です。
《 見積り作成時の依頼事項 》
◎依頼内容を各業者に統一して伝える
◎工事項目の明細を揃えるよう依頼(「一式」表記を避ける)
◎追加費用の発生条件を明記してもらう
◎想定外の状況での追加料金とその上限額を事前確認
依頼する業者の選定基準

業者選定では、値段の安さよりも以下の要素を重視すべきです。
- 1.見積りの透明性
内訳が明確で理解しやすいか - 2.対応の分かりやすさ
専門用語を使わず丁寧な説明があるか - 3.施工実績
同業種や類似規模の工事経験の有無 - 4.アフターサービス
保証期間と問題発生時の対応体制
防音専門業者と一般建築業者の選択は、本格的な防音工事なら専門業者、簡易的な対策なら一般建築業者でも対応可能という基準で判断しましょう。
まとめ
防音工事は、ビジネスの持続的発展を支える重要な投資です。騒音トラブルによる法的リスクや信頼失墜を未然に防ぐためには、適切な防音対策が不可欠となります。
工事タイプや業態によって費用相場は大きく異なりますが、最も重要なのは必要十分な防音効果を確保することです。機能を満たさないよりは多少オーバースペックの方が良いという考え方も一理あります。なぜなら、不十分な防音工事で後から追加工事を行うよりも、最初から適切なレベルの工事を行う方が、結果的にコストパフォーマンスが高くなるからです。
一方で、過剰な仕様は無駄なコストとなるため、必要な工事を見極めて無駄な費用をかけないようにしましょう。複数の専門業者から提案を受け、使用部材や工事内容を詳細に比較検討することで、適正価格での防音工事が実現できます。最終的には、自社のビジネスニーズに最適な防音環境を、適切な投資で実現することが成功への道筋となるでしょう。
施工・管理のご相談受付中
内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。

