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- 出店計画の立て方を5ステップで解説!立地・物件を見極めるポイントとは
2025年11月24日出店コンサルタントに関する話題

出店計画とは、新店舗の開業や既存店舗の移転・拡大、あるいは新たなオフィス拠点の設置を行う際に策定する、ビジネスの全体設計図のようなものです。さらに、金融機関の融資審査や投資家への説明資料としても必要になる重要な資料です。この計画を通じて、店舗・オフィスのコンセプトや方向性、売上・利益目標を明確にすることで、事業の実現性が高まるでしょう。
今回は、特に小売店やサービス業などの店舗の出店計画に焦点を当て、計画を立てるための5つのステップを体系的に解説します。
目次
【5ステップ】出店計画の立て方

出店計画を通じて、段階的に論理を積み上げることで、ビジネスの成功確率を高めることができます。
ここでは、出店計画を実行に移すための5つのステップを解説します。
ステップ1|コンセプトの明確化
出店計画を立てる際にまず取り組むべきは「コンセプトの明確化」です。店舗がお客様に提供する独自の価値やアイデンティティ、根幹となる考え方を定義しましょう。
コンセプトは、開業後の方向性を示す将来の指標であり、経営者が理想とする店舗の在り方や社会的役割を実現するために掲げるものです。
具体的には、店舗運営において「誰に(WHO)」「何を(WHAT)」「どのように(HOW)」提供するのかを明文化します。
ターゲット設定では、年齢、性別、職業、年収、ライフスタイル、趣味嗜好などを具体的に想定することで、店舗の方向性が一気に鮮明になります。
コンセプトは、ターゲット顧客の嗜好やニーズ、競合状況、全社的なブランディング方針を総合的に考え、構築しましょう。
ステップ2|商圏調査
次に行うべきは「商圏調査」です。近年では「出店すれば売れる」という時代は終わり、立地選定の精度を高めることが売上目標を達成する鍵となっています。
商圏調査では、出店候補地の人口構成、交通アクセス、地域特性、購買力、そして競合店の状況を多角的に分析します。これにより、顧客ポテンシャルと採算性の根拠を明確にすることができます。
分析には、統計データや地図情報システムを活用するだけでなく、現地調査によってリアルな生活動線や来店行動を把握することも重要です。
ステップ3|出店場所の選定
商圏調査を経て、いよいよ具体的な出店候補地を選定します。立地はすべての経営判断の中でも最重要項目のひとつであり、売上を左右する要因です。
まず、分析結果を踏まえて売上予測を立てましょう。
既存店舗がある場合
売上データを複数要因(立地、通行量、競合距離など)と関連付け、重回帰分析※などの統計手法を用いて予測モデルを作成します。
- [例]
- A店は駅前で月商300万円、B店は住宅街で月商200万円といったデータを収集し、それぞれの立地条件(駅からの距離、周辺人口、競合店の数など)と関連付けます。
これらのデータをExcelなどに整理し、「この立地条件なら月商いくらが見込めるか」を算出するモデルを作ります。
「駅から100m離れるごとに売上が5%下がる」「競合店が1km圏内に1店増えると売上が8%下がる」といった関係性を数値化できれば、新店の予測売上をより正確に見積もることが可能になります。
※ 重回帰分析: あるひとつの「結果」(目的変数)に、複数の「原因・要因」(説明変数)がそれぞれどの程度影響しているかを分析し、その関係を数式(モデル)で表す統計手法。
新規出店の場合
市場シェア率法を用いるのが効果的です。商圏の市場規模を算出し、競合店の魅力度(品揃え・価格・ブランド力など)を点数化。その比較から自店が獲得できるシェア率を推定し、「市場規模 × 想定シェア率」で年間売上を導き出します。
- 【商圏の市場規模の算出方法】
-
- 1.商圏範囲を決定する(徒歩圏内の小売店なら500m〜1km圏内など)
- 2.商圏内の人口を調査する(国勢調査データなどを活用)
- 3.業種別の平均支出額を掛け合わせる(総務省の家計調査から「1人あたり月間○○費」等の統計指標を参照)
(例)商圏人口5万人 × 月間外食支出額1万円 × 12ヶ月 = 年間市場規模6億円
- 【シェア率の推定方法】
-
- 1.商圏内の競合店舗の魅力度を、以下のような基準で算出します。
(例)-立地条件(駅からの距離):10点満点
-店舗規模・設備:10点満点
-商品・サービスの質:10点満点
-価格競争力:10点満点
-ブランド認知度:10点満点 - 2.自店舗のシェア率を算出します。
(例)全店合計125点中、自店舗45点 = シェア率36% - 3.市場規模にシェア率を掛けて年間売上を予測します。
(例)6億円(市場規模) × 0.36(シェア率) = 2億1,600万円
- 1.商圏内の競合店舗の魅力度を、以下のような基準で算出します。
ステップ4|売上目標・集客戦略の設定
商圏調査や売上予測をもとに、現実的な売上目標を設定します。目標を長期・中期・短期と階層的に設け、段階的な成長を描くことが重要です。
特に店舗運営初期は、短期目標を細かく設定し、実績との乖離を定期的に検証することで、実現可能性を高めやすくなります。
さらに、売上目標の設定に合わせて、具体的な集客戦略を構築しましょう。ターゲット顧客や商圏特性に応じて、価格設定・販売促進・キャンペーン企画などを連動させ、店舗全体のマーケティング活動を一貫性のあるものにする必要があります。
近年はオンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド型の集客が主流です。SNS広告や検索広告を活用したデジタル集客に加え、来店時に利用状況を分析できるクーポン施策などを組み合わせることで、データに基づいた効果測定と改善が可能になります。
ステップ5|事業計画書の作成
最後のステップは、これまでの検討内容を体系的にまとめた「事業計画書」の作成です。これは、金融機関や投資家への説明資料にもなります。
事業計画書には、企業概要、立地・商圏の分析結果、数値計画、売上目標、運営体制、実施スケジュールなどを整然と記載します。特に投資回収期間や利益率を可視化する収支計画はリスクマネジメントの基盤となるため、検討を重ねた、精度の高い内容に仕上げましょう。
なお、事業計画書の書き方は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供する企業マニュアル(5.事業計画書をつくる)も参考になります。
また、重要なのは、計画を“完成形”とせず、定期的に見直し・更新していくことです。市場変化に柔軟に対応できる経営者こそ、継続的に成長する店舗を築くことができます。
出店計画の売上目標達成に不可欠な「店舗デザイン」

出店計画を成功に導くには、数字上の計画だけでなく「体験を設計する視点」が欠かせません。その中核となるのが、店舗デザインです。
魅力的で独自性のあるデザインは、通行人の関心を惹きつけ、来店への第一歩を生み出します。さらに、照明や配色、動線設計といった空間の工夫は、購買意欲や滞在時間に大きな影響を与えます。これらを戦略的に組み合わせることで、売上向上につながる「体験価値」を創出できるのです。
また、店舗デザインはブランドの世界観を体現し、顧客の記憶に残ります。居心地の良い空間は従業員の働きやすさも高め、サービス品質の向上を促進します。まさに店舗デザインは、出店計画の成果を左右する“無言の営業戦略”なのです。
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出店計画の策定における注意点・ポイント

出店計画はクリエイティブなプロセスである一方、経営的な冷静さも求められます。ここでは、出店計画を策定する際に押さえておきたい2つの重要なポイントを紹介します。
立地・物件は冷静に評価する
現地調査を行うと、物件の立地条件や周辺環境に魅力を感じ、「ここしかない」と思い込んでしまうことがあります。特に多店舗展開を進めている状況ですと、計画店舗数を優先するあまり、冷静な判断を欠くケースもありえます。
しかし、出店の成否を左右するのは“収益性”です。一度立ち止まり、長期的に利益を維持できるかを客観的に評価することが重要です。
例えば駅近という条件だけで判断せず、改札口からの動線、人の流れの方向、近隣施設の集客力、通行者の目的など、実際の行動パターンを細かく分析する必要があります。立地を「数字」と「動線」で捉える冷静さが、後の経営リスクを大きく軽減します。
売上目標は利益目標から立てる
店舗経営の成果を測る指標は「売上」ではなく「利益」です。真に持続可能な経営を行うためには、利益目標から逆算して売上目標を設定することが基本です。
算出式は以下の通りです。
売上目標(円)=(利益目標(円)+固定費(円))÷粗利率(小数表示)
安易に売上増を追うのではなく、「どの水準の売上があれば、どれだけ利益が確保できるか」を明確にすることで、経営の安定性と再投資の余地を生み出して行けるでしょう。
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新規出店・店舗拡大に関するご相談はカエル・デザイン・プロジェクトへお任せ
出店計画は、経営の未来を左右する重要な戦略です。コンセプト設計から商圏調査、売上目標の設定、そして事業計画の策定まで、すべての工程を論理的かつ実践的に積み上げることが、成功への最短ルートとなります。
カエル・デザイン・プロジェクトでは、こうした、立地分析や市場調査を基盤とした戦略的な出店計画の立案をはじめ、経営計画と連動した店舗コンセプトの構築を支援しています。さらに、物件選定・内装設計・ブランド設計など、開業に関わるあらゆるフェーズをトータルでサポートいたします。
新規出店や多店舗展開を検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。経験豊富なコンサルタントが、データとデザインの両面から、持続可能な店舗づくりをご提案させていただきます。
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