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- 居抜き物件の5大デメリットをチェック!失敗しない物件選びの実践ガイド
2025年12月1日出店コンサルタントに関する話題

居抜き物件は、前テナントの内装や設備をそのまま引き継げるため、初期費用を抑えられ、工事期間も短縮できるという大きなメリットがあります。しかし、その一方で「目に見えにくいデメリット」が存在するのも事実です。
たとえば、引き継いだ設備の老朽化による修繕費、ブランドイメージに合わない内装の改修コスト、さらには前テナントの原状回復義務の承継など、契約後に発覚するリスクは少なくありません。これらのデメリットを事前に把握せずに契約してしまうと、想定外の出費や営業開始の遅延につながる可能性があります。
本記事では、居抜き物件の代表的な5つのデメリットを詳しく解説し、契約前に確認すべきチェックポイントをご紹介します。さらに、デメリットを最小化するための実践的な物件選定の方法もお伝えしますので、確実な物件選びにお役立てください。
目次
居抜き物件の5大デメリット
居抜き物件には魅力的なメリットがある反面、事前に知っておきたいデメリットも存在します。ここでは特に注意すべき5つのポイントを詳しく見ていきましょう。

前オーナー設備引き継ぎによる「隠れコスト」
居抜き物件の最大の落とし穴が「隠れコスト」です。初期費用の見積もりでは既存設備を使える前提でコストを算出すると思いますが、実際には厨房機器や空調設備等で劣化が進んでおり、修理や入れ替えが必要になるケースが少なくありません。
特に飲食店では、冷蔵庫やガスコンロ、換気扇に排気ダクトなど使用頻度の高い設備は、見た目では判断の難しい内部劣化が進行していることもあります。また、油汚れやカビの蓄積により専門業者による清掃費用が別途発生することも。造作譲渡契約では「現状渡し」が原則のため、これらの修繕費用は新オーナー負担となり開業後の資金繰りを圧迫する要因となります。
ブランド不一致による「内装改修負担増」
居抜き物件は前テナントの内装が残されているため、自社のブランドイメージや業態に合わせた変更が必要になることがあります。例えば和食店の内装でカフェを開業する場合、壁紙や床材、照明、家具などを一新しなければ、狙ったコンセプトを表現できません。
既存内装がイメージに合わない場合、部分改修では統一感が出せず、結果的にスケルトン物件と同等以上の改装費用がかかってしまうことも…。また、設備や配管の位置が固定されているため内装の自由度が低く、デザインに制約を受けやすいという問題もあります。
「設備故障」リスクと保証期間の実態
居抜き物件で引き継ぐ設備の多くは数年から十数年使用されており、保証期間が切れているケースがほとんどです。譲渡後の故障は新オーナーの全額負担となり、特に厨房機器や空調設備などの大型設備は修理費用が数十万円から百万円以上になることもあります。
古い機種では部品入手が困難で修理不可能なケースや、丸ごと交換せざるを得ない場合もあります。設備の保証や修理に関しては前オーナーとトラブルになりやすく、造作譲渡契約書に保証条項が明記されていないと、設備状態や稼働保証が曖昧なまま契約し、後々問題が発覚するといったことも起こります。
「原状回復義務」の承継問題
居抜き物件では、前テナントが物件所有者と結んでいた賃貸契約の「原状回復義務」が新テナントに引き継がれる場合があります。これは退去時に物件を契約当初の状態(多くはスケルトン状態)に戻すという契約上の義務です。
前テナントが原状回復工事を行わず居抜きで譲渡している場合、その義務が新オーナーに承継されることがあり、将来の退去時には前テナントが施した内装工事も含めてすべて撤去する費用を負担しなければならないケースがあります。この費用は物件規模や内装の複雑さによって数百万円に及ぶことも。契約前に賃貸契約書や造作譲渡契約書で原状回復の範囲や負担区分を明確にしておくことが重要です。
「レイアウト変更」に制約がある
居抜き物件では既存の設備配置や配管、電気容量などの制約により、大幅なレイアウト変更が困難な場合があります。特に飲食店では厨房の位置や客席のレイアウトは営業効率に直結するため、理想的な配置に変更したいと考えますが、そのために給排水設備や排気ダクトの位置を動かそうとすると大規模な工事が必要です。
また、業態転換を行う場合には、追加の設備増設や電気容量の増強が必要になることがあります。例えば、軽飲食店から本格的な厨房を要する飲食店に転換する際には、ガス容量や排気能力の増強、グリストラップの設置などが必要になり、結果的に高額な改装費用が発生します。
既存設備の制約を理解せずに契約してしまうと理想とするコンセプトやレイアウトが実現できず、妥協した店舗運営を強いられる可能性があります。
契約前に確認すべきチェックポイント
物件の契約を進める前に、必ず確認しておきたいポイントをチェックシート形式でまとめました。現地調査の際にこれらの項目を一つひとつ確認して、契約後のトラブルを防止するためのものです。
![物件選定・契約前チェックシート[居抜き物件]](https://kaeru.design/common/dat/2025/1119/1763539405136069510.png)
→ 物件選定・契約前チェックシート[居抜き物件]をダウンロード
デメリットを最小化する物件選定の実践手順
デメリットを理解した上で、どのように物件を選定すれば居抜き物件を選ぶ際のリスクを最小化できるでしょうか。ここでは、実践的な3つのステップをご紹介します。
[STEP1]スケルトンと居抜きの判断基準をもつ

まず重要なのは、「居抜きで進めるべきか、それともスケルトンにすべきか」という判断基準を明確にすることです。判断のポイントは、開業スピード、初期投資額、そしてデザインの自由度のバランスにあります。
開業を急いでおり、資金も限られている場合は居抜き物件が有利です。一方、ブランドイメージを重視しており独自デザインやレイアウトにこだわりたい場合は、スケルトンから始めた方が結果的にコストを抑えられることもあります。
また、業態適合性も重要な判断基準です。前テナントと同じ業態や類似業態であれば、既存設備をそのまま活用できる可能性が高く、居抜き物件のメリットを最大限に活かせます。しかし、業態が大きく異なる場合は、設備の入れ替えや大規模な改装が必要になり、居抜きであるメリットが薄れてしまいます。
自社の資金計画・デザインコンセプト・業態の特性を総合的に考慮し、居抜きとスケルトンのどちらが適しているかを冷静に判断しましょう。
[STEP2]内装工事会社による事前診断を活用する

物件を検討する際には、契約前に必ず内装工事会社や設備業者による現地調査を実施することをおすすめします。専門業者は、設備の劣化状態、排水設備の問題、電気容量不足など、素人では見抜けない隠れた問題点を発見してくれます。
現地調査では、厨房機器の稼働状況、配管の老朽化、電気容量の確認、空調設備の動作確認などを詳細にチェックしてもらいましょう。その結果をもとに、修繕が必要な箇所とその費用を見積もっておけば、隠れコストを事前に可視化することができます。
特に飲食店の開業を検討している場合、厨房設備や排水設備の診断は必須です。これらの設備に問題が出ると、営業開始後に保健所の指導を受けたり、営業停止を余儀なくされたりするリスクもあります。専門業者への診断依頼費用は多くの場合数万円程度ですが、この投資が後の数百万円の損失を防ぐことにつながります。
[STEP3]リスクを踏まえた総合コスト比較

最後に、居抜き物件とスケルトン物件を総合コストで比較することが重要です。居抜き物件は初期費用が安く見えますが、隠れコストを含めると、実際にはスケルトン物件と同等かそれ以上の費用がかかる場合があります。
比較する際には、以下の項目を含めた総コストを算出しましょう。
- ◦初期費用 … 造作譲渡費用・保証金・礼金・仲介手数料
- ◦改装費用 … 内装変更・看板設置・追加設備の導入
- ◦設備更新費用 … 老朽化した設備の修理・交換費用
- ◦保証・リース契約 … 設備保証の有無・リース契約の残債
- ◦原状回復費用 … 退去時に必要な原状回復工事の見積もり
さらに、設備の耐用年数を考慮し「リスク調整後コスト」として評価することも有効です。例えば、10年使用された厨房機器は、あと数年で故障する可能性が高いため、その交換費用を初期コストに含めて計算するのです。
このように総合的にコストを比較することで、表面的な安さに惑わされず、長期的に見て本当に得になる物件を選ぶことができます。
出店コンサルのご相談受付中
内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。
まとめ
居抜き物件は初期費用を抑えて迅速に開業できる魅力的な選択肢ですが、隠れコストや設備リスク、原状回復義務などのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解せずに契約してしまうと、開業後に想定外の出費やトラブルに見舞われる可能性があります。
出店を成功させるためには物件契約前に徹底したチェックを行い、専門業者による現地調査と診断を活用することが不可欠です。目に見える費用だけでなく、将来発生しうるコストを含めた総合的な比較を行って、自社の業態やブランドコンセプトに適した物件かどうかを冷静に判断しましょう。
カエル・デザイン・プロジェクトでは、内装工事のプロフェッショナルとして居抜き物件の現地調査から改装計画、費用のお見積もりまでトータルでサポートいたします。
物件選定の段階から専門家に相談することで、失敗のリスクを減らした理想的な店舗開業を実現できます。居抜き物件をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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