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- 室内ゴルフ練習場の施工費用は?費用対効果を高めるポイントも解説!
2025年7月21日店舗デザインに関する話題

室内ゴルフ練習場の開業やリニューアルを進める上で、施工費用の把握は事業計画の要です。屋外練習場と異なり、室内型施設には特有の設計ポイントがあります。
今回は、室内ゴルフ練習場の施工に関わる具体的な費用項目と施工計画のポイントを解説します。
目次
室内ゴルフ練習場の施工にかかる費用項目

室内ゴルフ練習場の施工費用は、施設の規模や設備内容によって大きく異なります。打席数や個室タイプ、シミュレーターの有無などによって必要な工事内容や設備が変わるため、事前に費用項目を把握しておくことが重要です。
ここでは、事業計画立案に役立つ主な費用項目と参考価格を解説します。なお、これらはあくまでも参考価格であり、実際のケースではさまざまな要因により金額が異なる場合がありますのでご留意ください。
家具・建具
室内ゴルフ練習場には、利用者の快適性と利便性を確保するための家具・建具が必要です。ロッカー、椅子、テーブル、受付カウンターなどの備品が該当し、これらの参考価格は50万円~400万円程度です。設置台数によって費用が変動します。
高級感を出したい場合や大型施設では、さらに費用が増加する可能性があります。
電気・空調
室内ゴルフ練習場では、打席用の照明やシミュレーションシステム用の電気工事が必要になります。特にシミュレーターを導入する場合は、安定した電力供給のための工事が必須です。
また、広い空間を快適に保つための空調設計も欠かせません。電気工事の参考価格は坪単価1万円~5万円程度、エアコン設置は30万円~150万円程度です。
大型施設では複数のエアコン設置が必要なため、設置台数に応じて費用が増加します。
給排水設備
トイレやパウダールームなどの水回り設備は、快適な利用環境を提供する上で欠かせない要素です。給排水設備の参考価格は10万円~100万円程度で、既存の配管設備の状況によって大きく変動します。特に古いビルへの出店では、配管の状態確認が必要不可欠です。
内装(天井高の確保、防音工事など)
室内ゴルフ練習場では、スイングに必要な天井高の確保(はつり工事)や打席間の区切り工事が必須です。これらの内装工事の参考価格は総額300万円~800万円程度で、規模や立地によって大きく変動します。
特に防音対策は近隣トラブル防止のために重要なポイントであり、コストをかける価値があります。
内装仕上げ(壁紙、塗装など)
受付や待合スペースなどの壁紙施工に加え、耐衝撃性を高めるための塗装工事や、防音対策としての特殊塗装など、空間の機能性と快適性を向上させる内装仕上げも必要です。
内装仕上げの参考価格は坪単価3万円~10万円程度となり、施設の雰囲気づくりに重要な役割を果たします。高級感や清潔感を演出するデザインを選ぶことで、顧客満足度向上につながります。
サイン工事
打席番号や各種案内サインなど、施設内の各種サイン設置も重要な要素です。サイン工事の参考価格は、シンプルなものであれば1点1万円程度です。店舗全体のデザインに統一感を持たせた高品質なサインの採用やデザインブランディングを行う場合は、内容により数十万円~数百万円程度かかることもあります。
顧客の利便性や施設の印象向上に直結するため、適切な予算配分が大切です。
消防点検
公共施設として消防法に基づく設備と定期点検は必須です。
主な消防設備の参考価格は下記の通りです。
- ◦消火器:5,000円~2万円/1本
- ◦スプリンクラー:10万円~20万円/1基
- ◦自動火災報知設備:3万円~10万円/1基
また、定期的な消防点検費用も発生し、参考価格は延べ面積300㎡未満で1万円~3万円、300㎡~500㎡で2万円~5万円、500㎡~1,000㎡で5万円~10万円程度となります。
機材組立
室内ゴルフ練習場の核となるのがゴルフ関連機材です。参考価格は下記の通りです。
- ◦ゴルフシミュレーター:70万円~1,000万円(メーカーやグレードにより変動)
- ◦打席周りの施工(スタンスマット+人工芝を含む):20万円~
- ◦ボールディスペンサー:1万円~2万円
- ◦防球ネット(1ブース):30万円~50万円
- ◦消音スクリーン(1枚タイプ、3m×3m):5万円~
特にシミュレーターは施設の目玉となるため、性能と価格のバランスを考慮した選定が求められます。
室内ゴルフ練習場の投資価値は大きい!

日本のゴルフ人口は減少しているものの、インドアゴルフは着実に市場シェアを拡大しており、新しいビジネスモデルとして注目を集めています。
全日本ゴルフ練習場連盟の調査によると、2024年1月時点で全国のインドアゴルフ施設数は1,507件にのぼり、前年と比較して大幅に増加しています。
特に都市部を中心にインドアゴルフ練習場の新規出店が相次いでいるのが特徴です。この成長の背景には、若年層や女性ゴルファーの増加など、大きな市場変化があるようです。
このように、インドアゴルフ市場は新たなゴルファー層の獲得のほか、都市部の限られたスペースでも効率良く運営できることから、今後もさらなる成長が見込めるでしょう。
さらに近年では、無人運営のインドアゴルフ施設が増加傾向にあります。有人運営と比べると初期投資や運営コストを抑えられるため、その分、サービスの質向上や顧客サポートに注力しやすくなります。
導入するシステムや事業者にはさまざまな選択肢があるため、専門のコンサルタントに相談するのが良いでしょう。カエル・デザイン・プロジェクトでも、無人運営の施工についてご相談いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
出典:公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟「 調査研究委員会」
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室内ゴルフ練習場の費用対効果を高める施工計画のポイント

室内ゴルフ練習場の施工計画では、初期投資を抑えつつ長期的な収益性を高めたいものです。
ここでは、投資効果を高める施工計画のポイントをお伝えします。
差別化を意識した内装コンセプトの策定
内装は、ターゲットとなるお客様に合わせた独自のコンセプトを設計しましょう。
例えば、ビジネスパーソン向けには効率的な練習環境を提供し、友人グループや家族連れには観葉植物やソファを配置してリラックスできる空間をつくるなど、明確なコンセプトを持った内装設計が求められます。
エリアの選定(開業の場合)
立地は集客力や収益性に大きく影響するため、慎重な検討が求められます。
仕事帰りのビジネスパーソンをターゲットとする場合は、最寄り駅から徒歩圏内の物件が有利です。一方、ゴルフバッグを持参するユーザーや、友人・家族連れの来店を見込む場合は、駐車場の確保が重要なポイントとなります。
また、周辺の人口動態や競合店との距離といったエリア特性を踏まえた選定も必要です。
実績のある業者に物件選定を依頼する
インドアゴルフ施設の施工経験が豊富な業者に物件の選定を依頼することで、初期投資コストを大幅に削減できる可能性があります。
実績のある施工業者は、居抜き物件やスケルトン物件など施工費用が抑えられる物件を紹介してくれるだけでなく、騒音対策や床の補強など、ゴルフ練習場特有の施工ノウハウを提供します。
設備の必要性を検討する
費用対効果を高めるためには、限られた予算を戦略的に配分し、本当に必要な設備に集中投資することが重要です。各設備の必要性と投資の優先順位を明確にして、計画的な設備投資を行いましょう。
例えば、更衣室の場合、共用スペースを設けるタイプの施設では、利用者の満足度向上に直結する重要な設備です。快適な更衣室は顧客のリピート率向上にもつながるため、しっかりと予算を配分すべき項目といえます。
一方、個室ブース型の施設では、更衣室の必要性が相対的に低くなるため、その予算を最新の設備機器や内装の充実など、より顧客満足度に影響する部分に投資することで、全体的な競争力を高められます。
このように、出店エリアやターゲットとなるお客様の特性を詳細に分析し、最も効果的な部分に適切な投資を行うことで、限られた予算でも最大限の成果を実現できます。
導線設計・レイアウトを重視する
効率的な導線設計は、顧客満足度と運営効率を高める大切な要素です。
顧客が来店してから退店するまでの動線を綿密に設計し、それに基づいて受付、打席ブース、ロッカールーム、バックヤードなどの各スペースを配置することで、限られた面積を最大限有効活用できます。
カエル・デザイン・プロジェクトの室内ゴルフ練習場の施工事例
次に、室内ゴルフ練習場の設計から施工までをワンストップで提供しているカエル・デザイン・プロジェクトの施工事例を紹介します。
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チキンゴルフ横浜店|テナント入居工事

チキンゴルフ横浜店は、テナント入居にともなう室内ゴルフ練習場の設計・施工の事例です。
このプロジェクトでは、内装設計からデザイン、施工管理までを一貫して担当し、クラシカルなイングランド風のモールと立体的なロゴマークを効果的に配置することで高級感のある空間を実現しています。
- 事例の詳細は下記からご覧ください。
- → チキンゴルフ横浜店様の制作事例詳細
MY GOLF RANGE 麻布十番店|スケルトン物件

MY GOLF RANGE 麻布十番店は、小規模なスケルトン物件を活用した完全個室の会員制インドアゴルフスタジオです。
このプロジェクトでは、スケルトン状態からのデザイン設計と内装工事を担当し、「完全プライベート空間でゴルフをもっと身近に、お洒落に」のコンセプトに沿って施工を行いました。
高級住宅街である麻布十番の立地特性と会員制という運営形態に合わせ、大人の隠れ家のような高級感ある空間設計を実現しています。
- 事例の詳細は下記からご覧ください。
- → MY GOLF RANGE 麻布十番店様の制作事例詳細
まとめ
室内ゴルフ練習場の施工では、施設の規模や設備内容によって費用が大きく変動します。主な費用項目には、家具・建具、電気・空調、内装工事、機材組立(ゴルフシミュレーター)などが含まれます。これらの費用バランスを把握し、現実的かつ効率的な施工計画を立てることが重要です。
また、競合との差別化を図るためには、独自性のあるコンセプト設計や立地の選定、実績ある業者に物件選定を依頼するなど、費用対効果を意識した取り組みも欠かせません。さらに、ターゲットとなるお客様に合わせた設備選定も、長期的な集客力を左右する重要な要素です。
今回紹介したポイントを参考に、内装設計から機材選定までを計画的に進め、お客様に喜ばれる魅力的な室内ゴルフ練習場を実現しましょう。
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