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2025年8月4日オフィスデザインに関する話題

オフィス・事業所の移転や立ち上げを担当することになった皆さんは、「オフィスデザインの見積りが、業者によって価格が大きく違う」「内訳を見ても何が適正価格なのかわからない」そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
オフィスデザインの費用は、設計・デザイン費、内装工事費、設備工事費、家具・什器費の4つの要素で構成されています。一般的な50坪オフィスの場合、総額1,250万円~2,100万円程度が相場ですが、その内訳は仕様や品質によって大きく変動します。
この記事では、オフィスデザイン費用の構造を詳しく解説し、適正な価格で信頼できる業者を選ぶためのポイントをお伝えします。費用の内訳を理解することで、見積り比較や交渉を有利に進められるようになるでしょう。
目次
- オフィスデザイン費用の全体像と主要な内訳
- 【科目別】オフィスデザインの費用目安と相場
- オフィスデザイン費用の例
- モデルケース 1: 50坪のスタンダードオフィス
- モデルケース 2: 50坪のデザイン重視オフィス
- オフィス家具の参考価格
- 空調設備の参考価格
- 電気・電灯の参考価格
- 費用を左右するポイント: デザイン・工事・設備・家具
- デザイン・設計費
- 内装工事費
- 設備工事費
- 家具・什器費
- オフィスデザイン費用を抑えるための交渉のヒント
- どこでコストを抑えるべきか:見積り比較と交渉のポイント
- VE提案の活用
- 工事区分の明確化
- 家具・建具のグレード調整
- 工事期間の最適化
- VE提案(Value Engineering提案)とは?
- CD提案(Cost Down提案)とは?
- 失敗しない業者選びのコツ
- 納得の費用感で、理想のオフィスを実現するために
オフィスデザイン費用の全体像と主要な内訳
オフィスデザインの費用は、設計料、内装工事、家具、設備、電気工事など多岐にわたり、適切な予算計画のためには各項目の費用構造を把握しておく必要があります。
オフィスデザインの費用が業者によって大きく異なる理由は、工事の範囲や品質、使用する材料のグレードの違い、そして各工事業者によって対応できる範囲が異なるためです。単純に安い業者を選んでしまうと、後から追加費用が発生したり、品質に問題が生じたりするケースもあります。
先ずは主要な費用科目と相場感を見ていきましょう。
【科目別】オフィスデザインの費用目安と相場
オフィスデザインにかかる費用は、以下の4つの要素に大別することができます。
- 【1.設計・デザイン費】工事費総額の 10~20%
空間デザインの企画から図面作成、デザイン監理まで、設計事務所やデザイン会社が行う業務に対する費用です。プロジェクト全体をコーディネートするうえで重要な役割を担います。
費用は、プロジェクトの規模や複雑さによって変動します。50坪程度のオフィスであれば、150万円~300万円程度が相場です。 - 【2.内装工事費】坪単価5万~30万円
床、壁、天井の仕上げ工事や間仕切り工事など、空間を物理的に作り上げる工事費用です。使用する材料や工法によって大きく価格が変動します。
スタンダードな仕様であれば坪単価10万円前後、デザイン性を重視した仕様では坪単価30万円以上になることが一般的です。 - 【3. 設備工事費】坪単価 5万~15万円
電気工事、空調工事、通信工事、照明工事など、オフィスとして機能させるために必要な設備の導入と配線に関する費用です。
既存設備の活用度合いや新規設備の導入範囲、工事区分によって大きく変動します。 - 【4. 家具・什器費】坪単価 5万~30万円
デスク、チェア、収納家具、会議室テーブルなどの什器類の購入・配送・設置にかかる費用です。
使用する家具のグレードや数量によって幅があります。中級グレードの家具で統一した場合、坪単価10万円程度が目安です。

オフィスデザイン費用の例
一般的なオフィスデザイン・工事の費用感を、モデルケースに沿ってご紹介します。
併せて、家具・空調・電気設備工事それぞれの参考価格も挙げています。
但し、デザインと工事の見積りには施工にかかる日数や必要人数などにより算出されるものもあるため、これらを積算しても実際の見積りとはならない点にご注意ください。
モデルケース 1: 50坪のスタンダードオフィス
- ・内装工事費:900万円(坪単価18万円)
- ・設備工事費:350万円(坪単価7万円)
- ・合計:1,250万円
モデルケース 2: 50坪のデザイン重視オフィス
- ・内装工事費:1,500万円(坪単価30万円)
- ・設備工事費:600万円(坪単価12万円)
- ・合計:2,100万円
オフィス家具の参考価格
- ・ワークデスク(W1,200mm × D700mm): 3万~20万円
- ・ワークチェア: 2万~30万円
- ・会議テーブル(6人用): 8万~30万円
- ・書庫(両開き): 4万~12万円
空調設備の参考価格
- ・天井埋込型エアコン(4馬力): 40万~80万円(工事費込み)
- ・全熱交換器: 15万~40万円(工事費込み)
- ※新設の場合、別途ダクト工事が必要になります。
電気・電灯の参考価格
- ・LED照明器具(一体型): 1万~3万円(1台当たり)
- ・コンセント増設: 8千~1万5千円(1箇所当たり)
- ・LAN配線工事: 3千~1万円(1m当たり)
費用を左右するポイント: デザイン・工事・設備・家具
オフィスデザイン・工事・設備・家具の総費用は、デザインの複雑さと工事規模、設備グレード、選択する家具によって大きく変動します。
これら4つの要素がどのように予算に影響するかを理解することで、コストパフォーマンスの高いオフィス作りが可能になります。

デザイン・設計費
設計・デザイン費は、単純な図面作成だけでなく、空間コンセプトの企画、家具の選定・手配、工事監理、各種申請業務など、幅広い業務を含みます。
費用を左右する主な要因は以下の通りです。
【プロジェクトの規模と複雑さ】
面積が大きくなるほど、また複雑な間取りや特殊な要望があるほど費用は高くなります。
【家具手配の範囲】
デザイナーが家具選定から納期管理まで一括で対応する場合、その分の費用が加算されます。
【コンサルティング業務の範囲】
業務改善や働き方改革に関する提案、生産性向上のためのレイアウトなど、付加価値の高いサービスを含む場合、デザイン・設計費は高くなる傾向があります。
内装工事費

内装工事費には床・壁・天井の仕上げ工事や間仕切り工事が含まれます。
内装工事は、設備工事と並んでオフィス開発の中でも最も変動幅が大きい項目になります。
【費用を左右するポイント】
材料のグレード選択が最も大きな要因で、基本仕様からデザイン性の高い特殊材料まで、選択する材料によって坪単価が大きく変動します。また、既存内装の活用度合いも重要で、既存の床材や天井を活用できればコストを大幅に削減できます。
【注意すべき点】
工事開始後に仕様変更が発生すると、大幅な費用増加を招いてしまいます。図面確定前に詳細な打ち合わせを行い、変更要望は早期に伝えることが重要です。
設備工事費

設備工事費は電気工事、空調工事、通信工事など、オフィスとして機能させるために必要な設備の導入と配線工事を指します。
入居物件の状態に依りますが、既存の設備を活用できれば大幅にコスト削減が可能です。完全に新設する場合は相応の費用がかかります。
【空調設備のポイント】
空調設備は、個別空調とセントラル空調の選択が重要なポイントです。個別空調は設置が簡単で初期費用を抑えられますが、運用コストは高くなる傾向があります。
【電気・電灯工事のポイント】
電気工事では、LED照明器具の設置、コンセント工事、LAN配線などが主要な項目となります。最初から全てを揃えることもできますが、将来の拡張性を考慮したうえで、段階的に拡充していくのがおすすめです。
事業展開に沿った整備計画を立てることで、無駄な投資を避けることができます。
家具・什器費

家具・什器費には、デスクやチェア、会議室家具、収納家具などが含まれます。
家具・什器は、オフィスの機能性と快適性を左右する重要な要素です。選択するグレードや数量によって大きく変動するため、優先順位を明確にした選定が必要です。
【家具選択のポイント】
全てを同じグレードにする必要はなく、来客対応エリアは高グレード、執務エリアは実用性重視にするなど、メリハリをつけることを意識しましょう。
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内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。
オフィスデザイン費用を抑えるための交渉のヒント
限られた予算の中で理想のオフィス空間を実現するには、戦略的なアプローチが欠かせません。
コストカットの具体的な手法を知ることで、品質を落とすことなく費用対効果の高いオフィスデザインが可能になります。
どこでコストを抑えるべきか:見積り比較と交渉のポイント
オフィスデザイン費用を適正に抑えるためには、VE提案(Value Engineering:価値最適化提案)やCD提案(Cost Down提案)を積極的に活用することが重要です。
VE提案の活用
同じ機能や品質を保ちながら、より経済的な材料や工法を提案してもらいます。例えば、高価な天然木材の代わりに木目調のメラミン材を使用するなどです。
工事区分の明確化
A工事(貸主負担)、B工事(借主負担・貸主指定業者による施工)、C工事(借主負担・借主が施工業者を選定)の区分を明確にし、不要な工事費用を削減します。
家具・建具のグレード調整
全ての家具を同じグレードにする必要はありません。来客対応エリアは高グレード、バックオフィスは実用性重視のグレードにするなど、メリハリをつけることで費用を抑えられます。
工事期間の最適化
工事期間を短縮することで、仮設費用や現場管理費を削減できます。ただし、無理な工期短縮は品質低下のリスクがあるため、現実的なスケジュールで計画することが大切です。
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VE提案(Value Engineering提案)とは?
- 製品やサービスの機能を維持しながら、コストを削減する改善提案のこと。必要な機能を最小のコストで実現する方法を体系的に検討する手法です。例えば、同じ性能を持つより安価な材料への変更や、製造工程の簡素化などが該当します。
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CD提案(Cost Down提案)とは?
- 製品の製造コストや運用コストを直接的に削減する改善提案のこと。VE提案とは異なり、機能や品質への影響を最小限に抑えながらも、純粋にコスト削減を目的とした提案を指します。部品の統廃合、作業効率の向上、材料費の削減などが代表例です。
- 両者の違いは、VE提案が「価値の最大化」を目指すのに対し、CD提案は「コストの最小化」に焦点を当てている点にあります。
失敗しない業者選びのコツ

適正価格で高品質なオフィスデザインを実現するためには、業者選びが極めて重要です。
【実績と専門性の確認】
同規模・同業種のオフィス施工実績があるかを確認しましょう。過去の施工事例を見せてもらい、品質レベルを判断することが大切です。
【提案力とコミュニケーション能力】
単純に安い見積りを出すだけでなく、コスト削減提案や代替案を積極的に提示してくれる業者を選びましょう。また、疑問点に対して丁寧に説明してくれるかも重要なポイントです。
【アフターサービス体制】
工事完了後のメンテナンスや不具合対応について、明確な体制が整っているかを確認しましょう。
【スケジュール管理能力】
無理のないスケジュールを提示し、進捗状況を適切に報告してくれる業者を選ぶことで、予期せぬ追加費用を避けることができます。
【見積りの透明性】
詳細な内訳が記載された見積書を提出し、不明な項目について説明を求めた際に明確に回答してくれる業者を選びましょう。
複数業者から見積りを取る際は、同じ条件で比較できるよう、仕様書を統一することが重要です。また、極端に安い見積りには注意が必要で、後から追加費用が発生する可能性があります。
オフィスデザインのご相談受付中
内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。
納得の費用感で、理想のオフィスを実現するために
費用を適正に抑えるためには、VE提案の活用、工事区分の明確化、家具グレードの調整などが有効です。しかし、単純に安さだけを追求するのではなく、品質とのバランスを考慮することが重要です。
業者選びでは、実績、提案力、アフターサービス、スケジュール管理能力、見積りの透明性を総合的に評価しましょう。複数の業者から詳細な見積りを取り、内容を十分に比較検討することで、納得のいく価格で理想のオフィスを実現できるはずです。
オフィスは従業員が長時間過ごす重要な空間です。適正な投資により、生産性向上や企業イメージの向上という大きなリターンを得ることができます。この記事で紹介したポイントを参考に、信頼できるパートナーと理想のオフィス作りを進めていきましょう。
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