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2025年8月18日店舗デザインに関する話題

美容クリニックの内装は、お客様が店舗を選ぶ時の指標の一つです。
メニューやコミュニケーションなどの“ソフト面”はもちろんですが、内装や使い勝手などの“ハード面”も評価に繋がります。
院内が「美容」という言葉に相応しく美しい院内であれば、目に留まる確率も高くなるでしょう。
良い空間だと感じれば「行くのが楽しみ」「気分が上がる」ことに繋がり、何度でも来たくなります。
ここでは美容クリニックの内装を作る時のデザインのヒントを、実際の事例を紹介しながらお伝えいたします。
目次
美容クリニックの内装に見られる特徴と定番デザイン

美容クリニックは、他の医療系クリニックよりもデザインの幅が広い傾向にあります。
利用者の性別や年齢、提供するサービスの種類によって、思い切り振りきったデザインを選びやすいのも美容クリニックの特徴です。
まずは美容クリニックならではの内装の考え方をご紹介していきます。
デザイン
【清潔感】
美容クリニックの利用者が内装で重視するのは「清潔感」です。
一般的なイメージとして、色は白・水色といった医療を連想するものや、グレーやベージュなど馴染みのよい色などを使うこと。
木目調のさらっとした印象や、大理石風で上質なイメージにすることも有効です。
色や素材など様々な要素で清潔感を表すことができますが、別の視点としては「造りがシンプル=掃除がしやすい」ということもポイントとなります。
デコボコしているよりなだらかな形である方が、ホコリが溜まっても手入れがしやすく清潔に保てるため、利用者の視界に入る部分に取り入れたいデザインです。
【リラックス】
来院される方の緊張をほぐすため、安心できる要素を取り入れる美容クリニックが多くあります。
例えば、温かみのある色や柔らかい間接照明、肌触りの良いソファなど、優しさを感じるものを意識して選ぶと安心感を表現しやすいです。
音楽を流したりするのも効果的なため、スピーカーの有無なども先に確認しておきましょう。
【高級感】
美容クリニックは医療であり保険適応外も多いことから、決して安くはない金額がかかることもあります。
そのインパクトに見合った(もしくはそれ以上の)内装デザインで仕上げられているクリニックは、やはり金額以上の価値を感じるものです。
ガラスや大理石、おしゃれな照明などでラグジュアリーな空間を演出するなど、コンセプトに合わせた素材を選んでみてください。
ちょっとした部分でも組み合わせ次第では上質な雰囲気を作り出すことができます。
【医療機関らしさ】
医療機関であることに重きを置く利用者も少なくないため、施術内容や利用者層によってはある程度の実直さが内装に現れている方が効果的な場合があります。
整然と並んでいる様子や必要最低限のシンプルなデザインを意識すると医療機関らしさが作りやすいです。
そのシンプルな見た目にワンポイントで少し意匠を変えたりアクセントクロスを加えることで、医療機関たる安心・信頼を感じさせつつもおしゃれな印象にすることができます。
設備
美容クリニックには様々な設備があります。
一般的には、受付、カウンセリングルーム、施術室、ドレッサーが置いてあるパウダールーム、着替えが必要な施術の場合は更衣室、など。
特殊な機器を使う場合はそれ専用のエリアを設けることもあるため、他のクリニックと自分のクリニックの違いなどもリサーチしておくと参考になります。
どの施設がどのくらいの数・広さで必要なのかを整理しましょう。
※後述の「物件選び」に関わってきます
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内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。
美容クリニックの内装づくりに重要な4つのポイント

前段では、多くの美容クリニックに取り入れられている要素をご紹介しました。
ここからは、実際に内装をデザインしていく時に意識したいステップです。
コンセプト設計
デザインで一番最初にする重要なことは「コンセプト設計」です。
どんな利用者層が考えられるのか、選ばれる店舗になるには他店とどう差別化していくのか、といった営業プラン。
そして、もし明確にデザインの方向性が決まっていればそのキーワードやイメージ、決めあぐねている場合は気になるデザインの収集。
これらを掛け合わせて形にしていくとコンセプトを導き出しやすくなります。
方針が決まるとアイディアも多く出てくるため、具体的な壁紙選びや家具選びにも手を広げていくことが可能です。
クリニックの内装に関する条例・法律の遵守

クリニックを作る際に必ず確認しなければならないのは、条例や法令です。
主に下記の項目があります。
・建築基準法
・医療法
・バリアフリー法
・地方公共団体条例
その他、定期報告制度など
病床の数による制限など、提供するサービスによっては行政や建築基準法が求める条件が厳しくなるため、自分の店舗の営業内容との擦り合わせが必須です。
また、すでに同じ店舗を出店したことがある場合でも、地域が異なると保健所担当者によっては同じ条件で設計・施工ができない場合もあります。
費用やスケジュールに影響が出るため、行政への事前確認は早めに行うようにしてください。
プライバシーの保護
美容クリニックという性質上、プライバシーに関しては特に慎重にならなければなりません。
スタッフと患者の動線、患者同士の動線、視線の誘導や目隠しなど、利用する全ての方が安心して快適に過ごせる空間にすることが理想です。
実際の業務フローや移動した時に視界に入る部分などを想定し、間取りに取り入れていきましょう。
物件選び
物件選びの段階で「居抜き※」か「スケルトン※」かの選択により、デザインのしやすさが変わってくることもあります。
元からの間取りをうまく利用したり、すべて解体されているからこそできるデザインもありますので、下調べの段階で軽くイメージしておくとよいです。
※居抜き…以前のテナントの内装や設備が残っている状態。
※スケルトン…壁や天井が剥き出しの状態。ゼロから内装工事を行います。
また、使う医療機器や求める部屋環境を実現するために、必要な給排水やエアコン換気・電気設備を備えている物件を探す必要もあります。
備わっていないのに賃貸契約を結んでしまうと想定外のコストがかかる可能性もあるため、物件の設備条件をよく確認しておきましょう。
美容クリニックの内装デザイン事例
ここで弊社「カエル・デザイン・プロジェクト株式会社」が施工した事例をご紹介いたします。
それぞれ違うコンセプトのもとデザインされた内装となっていますので、テイストの参考にしてみてください。
ルミナスビューティークリニック

白に黒いラインが特徴的なこちらのクリニックは、最初からお客様の中でイメージが固まっていたため、ご提案から決定までとてもスムーズに進みました。
海外のホテルのような意匠で、可愛らしさと上品さを兼ね備えた大人の女性を感じさせる仕上がりとなっています。
非常に統一感のあるデザインでありながら、元々ある吹き抜けはそのまま活かすことで単調になりすぎないためのアクセントにもなりました。
コンセプト設計がしっかりしているからこそ迷わずご提案ができ、吟味する時間も設けられたことは大きなポイントです。
- 事例の詳細は下記からご覧ください。
- → 制作事例:ルミナスビューティークリニック
綺翠クリニック

お客様から具体的なイメージとして「和モダン」であることと、スタイリッシュな別のクリニックを参考に挙げていただき、その2つのテイストを掛け合わせたデザインに仕上げています。
「医療・クリニック=白」というようなイメージを覆し、ダークブラウンをメインカラーにした挑戦的な景観は、他の店舗と大きく差別化できました。
植物の緑も映え、ふんだんに使用した間接照明が心を落ち着かせてくれます。
商業施設の一角であり厳しい条件もある中、それを逆手にとった大胆な店構えにも注目していただきたいです。
- 事例の詳細は下記からご覧ください。
- → 制作事例:綺翠クリニック
ミラクリニック

R型の受付カウンターはふわふわとした可愛らしい雰囲気を目指すため、ダイヤモンドタフティングのデザインと思わず触ってみたくなる生地を選びました。
制作前に打合せを重ね、サンプルも作成してこだわった生地です。
全体がベージュや白ベースであるのは王道な女性向けクリニックの配色ですが、白は白でも大理石風と無地で使い分けたり、一部のクロスをライトグレーに、サインはゴールドなど、アクセントとして相性の良い色合いのものを採用しています。
清潔感と明るさがよく際立った、クリニックらしい内装デザインです。
- 事例の詳細は下記からご覧ください。
- → 制作事例:ミラクリニック三宮院
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内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。
美容クリニックの一般的な内装工事の相場

美容クリニックの内装施工に必要な坪単価は、一般的に約40万前後です。
これは「居抜き」の場合の平均で、「スケルトン」の場合だと坪単価100万円を超える場合があります。
どんな環境の中でオープンするのか(大型商業施設の中なのか、既存の雑居ビルの中なのか 等)によって、B工事業者※の費用や管理費用が割高になることも。
条件次第では大きく変わることも念頭に置いて予算を組むことをおすすめいたします。
また、「クリニックの内装に関する条例・法律の遵守」でご紹介した条件を満たしていない場合、追加で工事を行うことになり施工費が割高になる傾向があります。
今一度しっかり確認しておきましょう。
※B工事…空調設備や防災設備など、建物全体に影響を及ぼす工事
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一言で美容クリニックの内装といっても、そのジャンルは様々です。
定番デザインをよく把握したうえで、自分の店舗では何ができるか、何が必須なのかを考えていきましょう。
工事期間はもちろんですが、行政確認や開設届などの申請期間は時間短縮させることが難しいため、開設スケジュールは余裕を持つよう注意してください。
カエル・デザイン・プロジェクトでは、お客様のご希望を叶えるため寄り添いながらご提案していきます。
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