- 店舗デザインの カエル・デザイン・プロジェクト TOP
- カエルの内装建築コラム
- 店舗デザイン
- コンクリート内装で魅力的な店舗を作る!秘訣とプロのアドバイス
2025年10月6日店舗デザインに関する話題

近年の店舗デザインにおいて、コンクリートの質感を活かした内装は注目を集めるトレンドの一つとなっています。インダストリアルでスタイリッシュな印象を生み出すコンクリート内装は、カフェやレストランをはじめとする様々な業態で採用されており、モダンな空間演出の定番素材として定着しつつあります。
しかし、コンクリート内装は確かに格好いいけれど、「実際のところどうなの?」「施工費は高いの?」「メンテナンスが大変なのでは?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、コンクリート内装の基本知識から実践的なデザイン手法まで、プロの視点からアドバイスをお届けします。魅力的で機能的な店舗空間を実現するための秘訣をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
コンクリート内装の基本知識

コンクリート内装とは、建物の構造体であるコンクリートをそのまま内装材として活用するデザイン手法です。ここでは、基本的な知識から魅力、適用業種まで詳しく解説します。
打ちっぱなしコンクリートとは?
打ちっぱなしコンクリートとは、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の躯体をそのまま見せる仕上げ方法のことです。通常であれば壁紙やタイル、塗装などで覆われるコンクリートの構造体を、あえて露出させることで独特の質感と表情を演出します。
型枠を外した際のコンクリート表面の質感をそのまま活かすため、施工時の型枠の種類や工法によって仕上がりの印象が大きく変わります。滑らかな表面から木目調の質感まで、様々な表情を楽しむことができるのが特徴です。
コンクリートが生み出す魅力とは?
コンクリート内装の最大の魅力は、無機質でクールな雰囲気を持たせて、モダンな印象を演出できることです。グレーを基調とした落ち着いた色調は、商品やインテリアを引き立てるうえで優れた背景効果を発揮します。
また、コンクリートの持つ素材感は非常に汎用性が高く、ヴィンテージスタイルからラグジュアリーな空間まで幅広いテイストに対応できます。木材や間接照明との組み合わせによって、冷たい印象を和らげた温かみのある空間も演出可能です。
コンクリートはどんな業種に向いている?
コンクリート内装は、以下のような業種で特に効果を発揮します。
- ◦ハイクラス店舗 … 美容室、エステサロンなど上質さを演出したい店舗
- ◦物販店舗 … アパレルやインテリアショップなど、商品を際立たせたい店舗
- ◦飲食店 … カフェ、バー、レストランなどクールな雰囲気を求める店舗
多くの業態に対応可能ですが、成功の鍵は家具や小物での調整です。コンクリートの無機質さを活かしつつ、業態に応じた温かみや親しみやすさを演出することが重要になります。
コンクリート内装のメリットと注意点

コンクリート内装を検討する際には、メリットとデメリットを正しく理解することが大切です。ここでは、実務的な観点から詳しく解説します。
コスト面・施工面でのメリット
コンクリート内装の大きな魅力の一つが、コストパフォーマンスの良さです。主なメリットは以下の通りです 。
- 【施工費の削減】
通常の内装材を使わないため、材料費と施工費を大幅に抑えることができます - 【可用面積の拡大】
壁紙やタイルの厚み分だけ室内空間を広く使えるため、席数の増加や動線の改善が可能 - 【維持費の軽減】
壁紙の張り替えや塗装の塗り直しなど、長期的なメンテナンス費用を削減できます - 【保険料の優遇】
不燃材料であるため、火災保険料が軽減される場合があります
ただし、結露対策や断熱処理が必要な場合は、追加の施工費が発生することも考慮しておきましょう。
耐久性・安全性の優位点
RC造・SRC造の特性を活かしたコンクリート内装は、安全性と機能性においても優れています。
- ◎ 優れた防音性 … 厚いコンクリート壁により、隣接店舗や住宅への騒音を効果的に遮断
- ◎ 高い耐火性能 … 不燃材料のため火災リスクを大幅に軽減し、避難時間を確
- ◎ 優秀な耐震性 … 地震に対する構造的安定性が高く、安心して営業できます
- ◎ 長期耐久性 … 適切な施工とメンテナンスにより、数十年にわたって美しい状態を保持
知っておくべきデメリットと対策
コンクリート打ちっぱなしの内装は、無骨で洗練された印象を与える一方、いくつかのデメリットも存在します。
- × 冷たい印象 … 内装全面にコンクリートがあると、硬く無機質な素材感から冷たい印象を持たれる傾向があります。
- × 音が反響しやすい … 音を吸収しないため、コンクリートの面が多いと反響しやすいです。
- × 断熱性が低い … 断熱作用が低いため夏暑く冬寒い 状態に なりやすく、結露・カビの発生に気を付ける必要があります。
- × 表面に汚れが染みやすい … 打ちっぱなしの壁や床など、そのままだと汚れが付着しやすいです。
対策として、温かみのある木製家具やファブリック、間接照明を組み合わせることで、冷たい印象を和らげることができます。音の反響には、ラグやカーテン、デザイン性の高い吸音パネルが有効です。結露対策には、設計段階での断熱材の施工や換気計画が欠かせません。表面に保護用のコーティング剤を塗布することで、汚れの付着も防げます。
これらの対策を講じることで、コンクリートの魅力を最大限に活かした快適な店舗空間を実現できるでしょう。
成功するコンクリート内装のデザイン手法
コンクリート内装の魅力を最大限に活かすためには、適切なデザイン手法の選択が重要です。ここでは、プロが実践する効果的なテクニックをご紹介します。
温かみを加える素材の組み合わせ
コンクリートの冷たい印象を和らげ、居心地の良い空間を作るためには、以下の素材との組み合わせが効果的です。
木材との組み合わせ

床材や家具、アクセントウォールに木材を使用することで、自然な温かみをプラス。特に無垢材の質感はコンクリートとの対比が美しく映えます。
テキスタイルの活用

カーテンやタペストリー、クッションなどの柔らかい素材で空間に親しみやすさを演出。
自然素材の調和

観葉植物や石材、土などの自然素材を取り入れることで、有機的な魅力を加えることができます。
これらの組み合わせにより、インダストリアルでありながら居心地の良い空間を実現できます。
照明で雰囲気を演出するテクニック

コンクリート打ちっぱなしの空間は、照明計画がその印象を大きく左右します。
無機質で冷たい印象になりがちなコンクリートですが、オレンジがかった暖色系の照明を合わせることで、温もりと落ち着きのある空間になります。特に、壁や天井に光を反射させる間接照明は、コンクリート特有の素材感を際立たせ、美しい陰影を生み出すため、空間に奥行きと上質な雰囲気が生まれるでしょう。
さらに、昼は明るい自然光を取り入れ、夜は照明の明るさや色味を落とすといった工夫をすれば、時間帯によって異なる表情を楽しむこともできます。このように、照明ひとつでコンクリートの空間は全く違う顔を見せてくれるのです。
映える色彩・アクセントの選び方

コンクリートのニュートラルなグレーはどんな色とも相性が良いため、合わせる色によって空間の印象を自在に操ることができます。
たとえば、鮮やかなビビッドカラーを差し色として一つ加えるだけで、空間全体がぐっと引き締まり、生き生きとした個性的な雰囲気が生まれます。逆に、あえて色味を抑えて濃淡の異なるグレーで統一すれば、洗練された落ち着きのある大人の空間を演出することも可能です。
また、お店のコンセプトに合わせて色を選ぶのも効果的でしょう。カフェなら温かみのあるブラウン系を、美容室なら清潔感が際立つホワイト系を組み合わせるといったように、業態に合わせたカラープランも重要です。
このように、コンクリートは背景として非常に優秀なので、ポップ、クール、シックといった様々なテイストに柔軟に対応できる万能な素材なのです。
店舗デザインのご相談受付中
内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。
理想的なコンクリート内装を実現するために
コンクリート内装は、その独特の魅力と実用性により、多くの店舗で採用されているトレンドです。優れた耐久性と防音性、そして施工費の削減というメリットがある一方で、結露対策や適切な断熱処理などの課題もあります。
成功のカギは、メリット・デメリットを十分に理解した上で、業態や立地条件に応じた適切な検討を行うことです。特に重要なのは、素材の組み合わせと照明計画です。木材や自然素材との組み合わせで温かみを演出し、間接照明でコンクリートの質感を美しく見せることで、機能性と美しさを両立した理想的な店舗空間を実現できるでしょう。
コンクリート内装をご検討の際は、ぜひカエル・デザイン・プロジェクトにご相談ください。お客様のビジョンを実現する最適なプランをご提案いたします。
店舗デザインのご相談受付中
内装のイメージが固まっていない方もご安心ください。
カエル・デザイン・プロジェクトなら、プロのデザイナーがお客様に最適なプランをご提案します。
-
前の記事
多店舗展開のメリット・デメリットは?店舗拡大の判断基準も解説
一覧に戻る
-
次の記事
コンクリート内装で魅力的な店舗を作る!秘訣とプロのアドバイス