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- フリーアドレスオフィスの内装工事で押さえるべきポイント!配線・収納計画の注意点
2026年8月10日オフィスデザインに関する話題

オフィスの新規開設や移転・改装を機に、コミュニケーション促進や空間効率向上の観点からオフィスのフリーアドレス化を進めたい。
テレワークの推進や在席率の状況から、そうお考えの経営者や総務・管理部門の担当者の方も多いのではないでしょうか。
いざ情報を集め始めると、家具の選び方やレイアウト事例は多く見つかります。
ところが、どの席でも格差なく利用できるよう配線をどう処理するのか、固定席をなくしたあとの荷物はどこにしまうのかといった、「内装工事として何を準備すればいいのか」といった視点となると、意外と情報が少ないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。
もはや一般的なオフィス形式の一つとなっている一方、業務内容特性とのすり合わせや内装機能面の配慮が追いつかず「かえって使いにくいオフィスになってしまった」というケースも聞きます。
そこで今回は、フリーアドレスオフィスの内装工事について、配線計画と収納計画の注意点や押さえるべきポイントを中心に解説します。
目次
- オフィスのフリーアドレス化でつまずきやすいポイント
- フリーアドレスオフィス特有のよくある課題
- 課題が生じる原因
- フリーアドレスオフィスに必要な内装工事
- フリーアドレス化に関わる5つの内装工事項目
- 工事前に確認したい建物側の諸条件
- ちなみに:工事区分(A工事・B工事・C工事)とは?
- フリーアドレスオフィスの配線計画
- 配線方式の特徴と比較
- 電源コンセント・LANの数と位置の計画
- フリーアドレスオフィスの収納計画
- 個人収納の確保
- 共有収納の計画とゾーニングとの融和
- フリーアドレスオフィスに見られる内装の工夫
- 配線まわりの工夫の傾向
- 収納・ゾーニングの工夫の傾向
- フリーアドレス化の内装工事費用・工事期間の目安
- 補足:オフィス内装工事の計画段階から含めた期間の目安は?
- オフィスのフリーアドレス化は「配線・収納」の計画が鍵
オフィスのフリーアドレス化でつまずきやすいポイント

フリーアドレスとはシンプルに言えば「席を固定せず自由に選択する座席制度の仕組み」ですが、内装面の配慮が後手に回ると、運用開始後に思わぬ不便さが表面化するケースもあります。
まずはフリーアドレス化にあたって直面しやすい課題を整理しましょう。
フリーアドレスオフィス特有のよくある課題
フリーアドレスのオフィスにした後によく耳にするのは、次のような困りごとです。
- ◦ 好きな席で作業できるはずが、電源やLANのある席に人が集まり結局座席が半固定化する
- ◦ 延長コードやケーブルが床を這い、見た目が乱雑さや移動時のつまずきの原因になる
- ◦ 固定席では確保されていた書類や私物の置き場がなくなり、デスクや通路に荷物があふれる
いずれもフリーアドレスの特性が十分に考慮されていなかった場合に生じやすく、逆に働きやすさを損なってしまいます。
単純に家具を入れ替えるだけでは解決しにくく、基盤となる配線と収納を内装にどう組み込むかを予め計画しておくことが、使いやすいフリーアドレスオフィスづくりの鍵になります。
課題が生じる原因
こうした問題の多くは、デスクやチェアなど目に見える部分の家具選びが先行するなどで、裏側の配線・電源・収納計画が十分に考慮されていないことが原因です。
フリーアドレスは「どの席に座っても同じように働ける」ことが前提の運用です。
つまり、全ての席に電源と通信環境が行き渡る配線設計と、個人のデスク収納機能を補填する収納計画がセットで必要になります。
床下の配線ルートやコンセントの増設、収納什器の造作は、いずれも内装工事の領域です。
家具を入れた後から対処するには、レイアウトを崩したり工事をやり直すことになりかねません。
逆に言えば、内装工事の段階で配線と収納を織り込んだ上で計画を行っておけば、多くのつまずきは未然に防げるのです。
次章から早速具体的な中身を見ていきましょう。
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フリーアドレスオフィスに必要な内装工事

配線や収納の話に入る前に、フリーアドレス化に関わる工事の種類を簡単に整理しておきましょう。
フリーアドレス化に関わる5つの内装工事項目
フリーアドレス化で機能や使い勝手に関わってくる内装工事は、大きく分けて次の5つに分類されることがほとんどです。
- ①床工事:OAフロアの設置など、床下に配線スペースをつくる工事
- ②電気設備工事:電源コンセントの増設・移設など、電力まわりの工事
- ③ネットワーク工事:LAN配線やWi-Fi(無線LAN)の設置など、通信まわりの工事
- ④什器・造作工事:ロッカー・共有書庫・造作カウンターなど、収納や作り付け家具の工事
- ⑤間仕切り・ゾーニング関連工事:パーテーションなどで空間を区切り、エリアを設計する工事
このうちフリーアドレス特有の悩みに直結するのが、①〜③の「配線まわり」と④の「収納まわり」です。
⑤の間仕切りは収納・ゾーニングと合わせて計画すると効果的です。
どの工事項目がどの程度必要かは、物件の状態と目指す運用によって変わります。
既にOAフロアが入っている物件で活かす方向性なら床工事は最小限で済みますし、スケルトンに近い物件なら5項目全てを計画することになります。
座席の密度や配置によっては、空調や照明の調整が必要になるケースもあります。
オフィスの内装工事全体の進め方や依頼の流れは、こちらの記事も合わせてご覧ください。
→【関連記事】オフィスの内装工事の流れは?依頼時の注意点も
工事前に確認したい建物側の諸条件
工事の具体的な計画を進める前に、建物側の条件も確認しておきましょう。
特に床下配線を検討する場合、次の点がポイントです。
- ◦ 床高:OAフロアを敷くには一般に40mm以上の床上げが必要です。元々の天井高が低い場合では、床を上げると圧迫感が出ることもあります
- ◦ 床の耐荷重・管理規約:重い什器を集中的に置く想定がある場合は、工事にビル管理会社の承認が必要か事前に確認します
- ◦ 工事区分:テナントでは、どこまで自社判断で工事できるかが決められています
こうした建物側の条件は配線方式の選択肢を左右します。
念のため事前にビル管理会社や内装業者と相談・すり合わせをしておくと安心です。
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ちなみに:工事区分(A工事・B工事・C工事)とは?
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テナントで工事をする際は、工事費用を誰が負担し、誰が業者を決めるかの区分(A工事・B工事・C工事)が総額やスケジュールに影響します。
こちらの裁量で自由に工事が可能と思っていたら、実はテナントオーナー側の裁量で行わなければならない区分のものが混ざっていて、工事計画の見直しを求められる事態も起こり得ます。
工事区分の考え方はこちらの記事で詳しく解説しています。
→【関連記事】「A工事・B工事・C工事」を解説!押さえるべき基本知識
フリーアドレスオフィスの配線計画
ここからは、フリーアドレス化でもっとも機能面で利便性に関わる配線計画を掘り下げます。
「席を自由に選べる」とは、どの席でも電源とネットワークが同じように使える状態に揃えられていることが前提です。
そのための配線方式には複数の選択肢があり、それぞれに向き・不向きがあります。
配線方式の特徴と比較
フリーアドレスで採用し得る配線方式は大きく分けてOAフロア」「床上配線」「家具内配線」「無線化」の4系統「です。
OAフロアは「支柱式」と「置敷式」に分かれるため、ここでは5パターンで比較します。

選択の際に意識したいのは、どの方式にも一長一短がある点です。
置敷式のOAフロアは費用と工期を抑えられる反面、段差調整がしにくく床の凹凸に影響を受けやすいなど、支柱式に比べ床下スペースや強度で劣ります。
床上配線(モール)はもっとも安く短工期ですが、配線規模が増えるとモールが目立ち、つまずきや断線のリスクが高まります。
また無線化は中継するLANケーブルを大幅に減らせますが、電源そのものは無線化できません。
ノートPCやモニタの給電に電源は必ず要るため、「Wi-Fiにすれば配線がなくなる」わけではない点に注意しましょう。
無線化は有線LANを減らす手段と捉え、電源計画とセットで考えるのが現実的です。
なお、天井を通して吊り下げる形で配線する「天井配線方式」も場合によって候補になり得ます。
天井部分をあえてスケルトンで剥き出しにするようなインダストリアルなデザイン意匠と親和性がありますが、工事面での扱いは注意が必要です。
天井裏の電気設備やビル共有の配線ルートに抵触する場合は、ビルオーナー指定の業者によるB工事区分になる可能性があり、コストや工期が嵩みがちなため事前によく確認して計画するようにしましょう。
電源コンセント・LANの数と位置の計画
配線方式が決まったら、「どこに、いくつ電源とLANを設けるか」を具体化します。
ここを曖昧にすると、先述したように電源や通信環境に偏りが生じ座席間の機能格差や席の固定化といった問題に繋がります。
数と位置を決めるときは、次の順序で考えると漏れが少なくなります。
- ①同時に出社する最大人数と機器数を洗い出す:ノートPC・モニター・スマホ充電など、1人あたりの必要口数を想定します
- ②レイアウト案に重ねて配線ルートを決める:フロアコンセントや電源タップ・LANを、固定設備や席のかたまりごとに配置します
- ③有線が必要な機器を確認する:Wi-Fi中心だとしても、複合機やアクセスポイント自体には有線LANと電源が別途必要です
- ④将来の増設余地を残す:増員や機器の増加を見込み、口数と床下スペースに余裕を持たせます
なお、社員数に対して何席用意するか(座席の設定率)は出社率だけでは決められないとされ、業種や働き方で適正値が変わります。
一律の目安を当てはめるのではなく、自社の出社実態から設定するのが基本です。
OAフロアなら後から位置を変えやすい一方、床上配線や家具内配線では自由度が下がるといった特性もあるため、「数と位置」の設計は配線方式とセットで詰めておきましょう。
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フリーアドレスオフィスの収納計画

配線と並んでフリーアドレスオフィスの使い勝手を左右するのが収納計画です。
固定席という「自分専用の荷物置き場」が無くなる分、どこに何をしまうかを予め設計しておかないと、荷物が行き場を失い無秩序に散らかってしまいます。
個人収納の確保
まず、社員一人ひとりの荷物を置くための個人収納です。
代表的な選択肢は次の通りです。
- ◦ パーソナルロッカー:個人用の収納庫。出社時に荷物を取り出し、退社時にしまう運用が基本です。セキュリティ面から施錠できるタイプが選ばれます
- ◦ モバイルワゴン・パーソナルバッグ:キャスター付きワゴンやバッグに当日使うものをまとめておくと、席の移動がスムーズに行え、デスク上も散らかりにくくなります
どちらを主軸にするかは働き方次第です。
書類の多い部門はロッカー中心に、席を頻繁に移るならモバイルワゴンを組み合わせる、といった具合です。
共有収納の計画とゾーニングとの融和
個人収納で受け止めきれないものは共有収納として計画します。
中でも見落とされがちなのが次の2つです。
- ◦ 共有書庫・シェルフ:チームで参照する書類やファイルは、共有で保管できる収納を確保します
- ◦ コート・大型私物の置き場:冬のロングコートやブーツ、出張用トランクは個人ロッカーに収まりきらず、業務スペースに持ち込むことになりがちです
こうした共有収納は、単に個別に置くのではなくゾーニングに組み込むのが空間効率を高めるポイントです。
ロッカー列をエリアの境目に配置すれば収納と間仕切りを兼ねられ、限られた面積を有効に使えます。
書類の電子化・ペーパーレス化が進んでいる場合や、並行して促進できる場合は必要な収納や書庫の量を抑えられます。
フリーアドレスオフィスに見られる内装の工夫
フリーアドレス対応オフィスで実際によく見られる工夫の傾向を配線・収納それぞれについて紹介します。
最適解はケースによって変わるためチューニングは必要になりますが、傾向を知ると適切な計画や具体的な活用のイメージがつかみやすくなります。
配線まわりの工夫の傾向
配線方式については、必ずしも単一方式で完結させず、複数の方式を組み合わせる傾向が見られます。
例えば、床下配線(OAフロア)で電源・LANの土台をつくり、島ごとの末端は家具内配線でまとめ、社員の端末はWi-Fiネットワークの敷設で有線を減らすといった役割分担が良く見られる組み合わせ方の一つです。
やり直しの利きにくい床下のベースは内装工事時点で作り込み、変わりやすい末端は家具や無線で柔軟に対応できる構造とすると、運用とのバランスが取りやすくなります。
収納・ゾーニングの工夫の傾向
収納については、個人ロッカーを一箇所に集約し、出社・退社の動線上(エントランス付近など)に配置する傾向があります。
出社時にすぐ取り出せ、退社時に自然な流れでしまえる位置が最も使い勝手が良いためです。
また、先述のようにロッカーや収納家具をエリアの境目に置いてアクセス性を高めつつ間仕切りを兼ねさせる工夫や、柔軟性を意識するならキャスター付き什器でレイアウトを変えやすくする工夫もよく見られます。
限られた空間を活かすレイアウトの考え方は、フリーアドレスに限らず全般的に空間効率を高めるオフィスづくりの上で参考になりますので、こちらの記事も参考にしてください。
→【関連記事】狭い空間も有効活用!スモールオフィスのレイアウト事例紹介
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フリーアドレス化の内装工事費用・工事期間の目安
最後に、工事の費用と工事期間の目安を簡単に押さえておきましょう。
金額は物件の状態や規模で大きく変わるため、あくまで参考レンジになります。
配線・床まわりの費用は、一般的な目安として次のように挙げられます。
- ◦ OAフロア本体工事:坪単価2万〜7万円程度(支柱式/置敷式やパネル材質で大幅変動)
- ◦ LAN配線:1本あたり4,000〜8,000円程度
- ◦ 電源コンセント増設:1箇所あたり7,000〜15,000円程度
これらに加え、既存のOAフロアや床材を撤去・廃棄する場合は別途解体・撤去費用がかかります。
その他オフィス内装デザインの費用全体の相場感は、こちらの記事でも解説しているためご覧ください。
→【関連記事】オフィスデザイン費用の相場と内訳 徹底ガイド
工事期間は、小規模オフィス(50坪以下)で2〜4週間程度が目安ですが、電気容量の増設や空調工事が加わり複雑化すると6週間以上かかることもあります。
配線工事の規模が全体の工事期間に影響する一つの要素と考えておくとよいでしょう。
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補足:オフィス内装工事の計画段階から含めた期間の目安は?
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オフィスの工事そのものだけではなく、最初の計画段階から運用開始までとなるとスケジュール感はまた変わってきます。
トータルの工期の目安や、スケジュール管理のコツはこちらの記事で詳しく解説しています。
→【関連記事】内装工事期間の目安は?オフィス・店舗開業を成功させるスケジュール管理術
オフィスのフリーアドレス化は「配線・収納」の計画が鍵

フリーアドレスのオフィスを内装工事の観点から成功させるために、押さえておきたいポイントを改めて整理します。
- ◦ つまずきの多くは、家具選定が先に立ち、配線・収納の検討が十分でないことで起きる
- ◦ 配線方式(OAフロア・床上配線・家具内配線・無線化)は一長一短。建物側の条件と自社の配線量・規模から選ぶ
- ◦ 配線はOAフロアを軸に家具内配線・無線化を組み合わせ、電源・LANは「同時出社の最大人数と機器数」から数と位置を決める
- ◦ 収納は個人(ロッカー・モバイルワゴン)と共有(書庫・コート類の置き場)を分け、動線とゾーニングに組み込む
- ◦ 費用・工期は規模と配線量で変わるため、早い段階で全体像をつかんでおく
フリーアドレスオフィスは、内装工事の段階で床まわりと収納を仕込んでおけるかどうかで、その後の働きやすさが大きく変わります。
逆に言えば、移転や改装の計画段階こそフリーアドレス化の最大のチャンスです。
移転や改装を思い立った構想の段階から、内装と空間活用のプロと一緒に計画を描いておくことをおすすめします。
「まだ漠然としたイメージしかない」段階でも、問題ございません。
フリーアドレス化で効率化や働きやすさの向上を見込めるか、最適な方式は何かを個別のご事情に合わせて一緒に考え、ご提案させていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。
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